中国で市街地を低空飛行する第6世代ステルス機J50が話題に

 中国が開発中の第6世代ステルス戦闘機J50の試験飛行の映像と近接写真が公開された。

 9月28日付で「中華網」が報じたところによると、中国のオンライン空間に26日、瀋陽飛機公司(SAC)のJ50戦闘機がマンション上空を低空で試験飛行する様子を捉えた動画がアップロードされた。

【写真】マンション上空で試験飛行するJ50戦闘機

 動画を細かく見ると、尾翼がない設計形態のJ50は、胴体と翼の端に白い雲のような気体を作りながら素早く雲の中を突っ切って飛行した。

 中華網は「翼の表面の衝撃波が鮮明に現れていて、先端の空気力学的設計を示している」「これは複雑な環境での適応能力を点検すると同時に、瀋陽飛機が自社技術の成熟度に自信を持っていることを示すものと解される」と伝えた。

 中華網は、今回の動画を通して確認できるJ50の特徴は「ピトー管が消えた」ことだとした。ピトー管は戦闘機の機首に付いていて、前方の空気の動圧を測定し、飛行速度を算出する計測装置だ。初期の試験飛行には欠かせない。中華網は「これを取り除いたということは、J50のセンサーが高度化され、外装型の装置に依存する必要がないことを意味する」「また、これはエンジニアたちがさまざまな速度と高度での飛行パラメーターを既に確保したことを示唆する」と報じた。中国の最新鋭ステルス戦闘機J20は、ピトー管を外すまでおよそ3年かかったといわれている。

 米国の軍事専門メディア「ザ・ウォー・ゾーン」は25日、「J50の最も鮮明な写真がインターネットに流出した」とも報じた。滑走路を移動中らしき様子が捉えられた写真2枚を見ると、すらりとした外形に加えて流線形のキャノピーと双発エンジンなどが目に付く。「ザ・ウォー・ゾーン」は「写真の上では単座運用が確実に見える」とし「さらに、米国のF22ラプターに似た推力偏向エンジンと平板ノズル、回転する翼端操縦面などの特徴も備えている」と伝えた。

 従来は戦闘機の下部やシルエット中心の姿ばかりが露出しており、側面の様子が細かく現れた写真は今回が初めて。「ザ・ウォー・ゾーン」は「画像が作り物である可能性も十分にあるが、これまでわれわれが見てきたこの戦闘機の、あまり鮮明でない別の姿と極めてよく符合する」「公式確認はなされなかったが、だからといって作り物だと断言できるほどの状況はない」と分析した。

 中国は昨年12月26日にJ50を初公開した後、持続的に試験飛行を実施している。中国側がまだ公式発表していない次世代戦闘機で、細かな諸元は公開されていない。今年4月にもJ50の姿がソーシャルメディアを通して詳細に公開された。当時公開された写真と動画では操縦席のキャノピーが初めて鮮明に確認され、最近も試験飛行でより高速で飛ぶ様子が捕捉された。

 米国と中国は第6世代戦闘機の開発を巡って競争している。米国のドナルド・トランプ大統領は今年3月、「米空軍の次世代先端戦闘機の名称を『F47』と命名し、事業者としてボーイングを選定した」と発表した。早ければ2030年代中盤に実戦配備される。中国は、この発表に先立ってJ36の試験飛行を公開した。今年4月初めには、中国の成都飛機工業集団(CAC)工場の飛行場近くで着陸するJ36の様子が、地面に極めて近いところで捕捉された。

パク・ソンミン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=UTOIMAGE
  • 中国で市街地を低空飛行する第6世代ステルス機J50が話題に

right

あわせて読みたい