復元20周年 ソウル都心を流れる清渓川、かつてのドブ川が魚・鳥・観光客が集まる観光スポットに

「5.84㎞の水の道」 ソウルのシンボルとして再生

 清渓川の復元は、激しい対立を解決していくプロセスでもあった。当時、工事を総括していた張錫孝・元副市長は「清渓川周辺の商人たちが、ガスボンベを手に市庁舎に押しかけるなど、工事は苦難の連続でした」と当時を振り返った。「解決策ですか? 市の職員たちが熱心に商人たちに会いに行くしかありませんでした。後で現場に出向いた回数を数えたところ、4700回にもなっていたんですよ」

 張・元副市長は「当時、李明博市長は『200年、いや500年と続いていく清渓川だ』と言って、擁壁の石の一つ一つまで点検しました」「工事をする上で、大きなやりがいも感じましたが、本当に大変だったのは事実です」と話した。

 こうして復元された清渓川は、完全に新しい空間に生まれ変わった。復元する前に4種類しかいなかった魚は、今では28種類に増えた。水質2級以上の澄んだ水にしか生息しないとされるヤガタムギツクまで見られるようになったのだ。韓国鳥類研究所が昨年12月から3カ月間、清渓川の下流2キロ区間を調査した結果、鳥類38種、845羽が確認された。韓国では絶滅危惧種のオシドリやハイタカ、チョウゲンボウなども清渓川に降り立っていた。

 復元に携わった二人は「清渓川を大切にしてくださる市民の皆さまに心から感謝申し上げます」と深々と頭を下げた。その上で、お願いの言葉も忘れなかった。「後輩の職員たちが清渓川の教訓をしっかりと研究し、長期的な観点からソウルをどのように変えていけるか頭を悩ませてくれればと思います」

 ソウル市は1日、清渓川一帯で復元20周年の記念行事を開催した。呉世勲(オ・セフン)ソウル市長と李明博(イ・ミョンバク)元大統領が出席した。

チェ・ヨンジン記者、キム・ヨンウ記者

【写真】1980年代の東大門周辺…清渓川は高速道路の下に埋められている

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