今年1月から8月までに外国人計7人が韓国国内の軍事基地や設備を無断で撮影して摘発され、捜査を受けた。そして、その全員が中国・台湾出身であることが分かった。これは、国会国防委員会のユ・ヨンウォン議員=野党・国民の力所属=が8日、「警察庁の資料によると、この5年間に『軍事基地および軍事施設保護法』違反で摘発された外国人は合わせて14人だ」とした上で述べたものだ。
年度別に分けてみると、同容疑で摘発された外国人は2020年2人、21年1人、22年2人、23年0人、24年2人だった。今年に入って8月まででは7人が摘発されており、韓国の軍事基地や施設に対する無断撮影が急増しているとみられる。今年摘発された中国・台湾人は主に軍用機の離着陸場面や海軍の艦艇の写真などを撮ったということだ。
今年3月に摘発された中国人観光客二人は、同月18-21日の4日間にわたって京畿道水原市・平沢市・烏山市などでカメラにより軍用機などを撮影した疑いが持たれている。当時の報道によると、二人は高校生で、観光目的で入国し、戦闘機の写真などを多数撮影したという。そのうち一人は警察の取り調べに「父親の職業は公安(警察)だ」と供述している。8月19日には中国人観光客二人がドローンで済州島の韓国海軍機動艦隊司令部一帯を撮影して摘発された。二人は警察の取り調べに「違法だとは知らなかった」と供述しているが、海軍基地の内部を撮影した動画を持っていたということだ。
今年5月10日には台湾人観光客二人が烏山市で行われたエアショーに無断で出入りし、カメラで軍用機などを約10枚撮影していた。二人は当初、米軍によって数回出入りを制止されたが、韓国人専用の出入り口を通じて無断で入場していたことが分かっている。裁判所は二人に懲役1年6カ月、執行猶予3年をそれぞれ言い渡した。同月29日には台湾人留学生が国家情報院の正門前で携帯電話により同院の施設を撮影した。
ユ・ヨンウォン議員は「中国語圏の外国人が韓国の軍事施設や運用戦力システムを無断で撮影して公開すれば、韓国の安保に深刻な悪影響を与えるだろう。今年に入って摘発事例が急増しているだけに、積極的な対応が必要なようだ」と語った。