保守系野党「国民の力」に所属する郭圭沢(クァク・キュテク)議員は13日、韓国国会法制司法委員会の国政監査で、李在明(イ・ジェミョン)大統領が大統領選挙前日の今年6月2日、ユーチューブのチャンネル「金於俊(キム・オジュン)のニュース工場」に出演して「大法院(最高裁)側から早く(無罪で)棄却してあげようという話を聞いた」という趣旨で発言したことについて「事実であればあり得ない違法行為で、虚偽であれば大統領は公職選挙法に違反したのではないか」と指摘した。
【写真】「最高裁か被告人・李在明のどちらかは違法」と千大燁・裁判所行政処長に詰め寄る郭圭沢議員
郭議員は13日、千大燁(チョン・デヨプ)裁判所行政処長に「被告人の身分とは関係なく、裁判の結果を事前に予断し得る意志疎通を被告人と(裁判官が)行うことができるか」と尋ねた。千処長は「そのようにしてはいけないというのが裁判官の倫理」と答弁した。
ここで郭議員は、李大統領が出演したユーチューブの動画を再生した後、「大統領選挙前日に被告人・李在明が明かしている。大法院の宣告結果を事前に本人に知らせてあげたというのだ」と語った。さらに郭議員は「大法院内部の誰かが(結果を知らせてあげたのなら)、もしこれが事実であれば、あり得ない違法行為になる」と続けた。逆に、うそであれば大統領が公職選挙法に違反した―というのが郭議員の主張だ。
郭議員は千処長に「これまで、李大統領が語ったように事前に宣告内容について大法院から誰か知らせてやったことがあるかどうか、確認したか」と尋ねた。千所長は「そういうことはあり得ないとよくご存じではないか」と答弁した。あり得ない不可能なことだから、わざわざ確認する必要を感じなかった、というわけだ。
すると郭議員は「虚偽であれば(李大統領の)選挙法違反ではないか」と続けて問い、千処長はこれには答弁しなかった。
李大統領の選挙法違反事件を巡っては、大法院が今年5月1日に控訴審の無罪判決を覆して有罪の趣旨で破棄差し戻しした。これにより、与党側で強い反発を呼び起こした。破棄差し戻し審を担当するソウル高裁は、この事件の審理を中断した状態だ。
イ・ミンジュン記者