日本は米国との関税交渉で妥結し、半導体についても最恵国待遇を明確に保障された。EUも「相互関税最大15%」を保障された。しかし、韓国大統領室が説明した韓米合意の内容には、半導体に対する最恵国待遇の保障はなかった。台湾は米国との関税交渉を進めており、関税水準がどうなるか不透明な状況だ。西江大国際大学院の許允(ホ・ユン)教授は「AI発半導体需要が高い状況で、米国が台湾に厳しい半導体関税を課すことは困難だろう」としながらも、「韓米合意で半導体関税の不確実性を明確に解消できなかった点は残念だ」と述べた。
鉄鋼分野にも不確実性が残る。米国は鉄鋼・アルミニウムに現在50%の関税を適用している。このため、韓国の対米鉄鋼輸出は今年上半期に前年同期に比べ11%減少した。鉄鋼を使う派生製品にも鉄鋼の含有量に比例して50%の関税率を適用するが、そうした派生製品が約500項目に達し、韓国の中小製造業に被害が出ている。
■財界は歓迎、商務長官出席の会議では拍手も
韓国財界からは交渉が事実上合意に達したことを歓迎する声が相次いだ。慶州芸術の殿堂で行われたラトニック米商務長官主催の韓米ビジネス円卓会議では交渉妥結が近いとの情報が伝えられ、出席者が一斉に拍手をしながら歓迎したという。SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長は円卓会議などを終えて会場を去る際、関税交渉合意に関する感想を尋ねる取材陣の質問に「幸いだ」と語った。
日本車、欧州車よりも高い関税で米国市場で苦戦してきた現代自グループは「厳しい交渉過程を経て妥結に至るまで献身的に努力してくれた政府に感謝する」とし、「現代自動車・起亜は今後も関税の影響を最小化するため、多角的な方策を推進するとともに、品質・ブランド競争力の強化と技術革新などを通じ、内面をさらに堅実にしていく」とコメントした。 MASGA(米国造船業を偉大に)プロジェクトの一翼を担うHD現代の鄭義宣(チョン・ギソン)会長は「MASGAプロジェクトがやりやすくなったと期待している」と話した。
慶州=崔銀京(チェ・ウンギョン)記者