【ソウル聯合ニュース】韓国政府が肥満症治療薬「ウゴービ」や糖尿病薬「マンジャロ」などの誤用・乱用を防ぐため取り締まりを強化するなか、日本の美容クリニックで処方を受けたこれらの医薬品が韓国に持ち込まれるケースが増えていることが、4日までに分かった。
聯合ニュースに寄せられた読者からの情報提供とコミュニティーサイト「DCインサイド」などによると、韓国では糖尿病患者や高度肥満患者でなければこれらの処方を受けるのは難しいが、日本の一部の美容クリニックでは肥満度の判定に使われるBMI(体格指数)に関係なく処方されているという。
現行の関税法(旅行者携帯品通関告示)では、旅行者は本人が使用する目的であれば3カ月以内の服用量の医薬品を搬入できる。
専門医薬品は原則として医師の処方箋が必要だが、税関で摘発されない限りは事実上「フリーパス」で持ち込むことができる。
そのため、美容目的での購入や購入代行などが当局の管理・監督なしに行われている状況だ。
肥満症治療薬の誤用・乱用は膵炎(すいえん)や腸閉塞など深刻な副作用を引き起こす恐れがあり、保健福祉部と食品医薬品安全処はこれらの医薬品の「誤用・乱用憂慮医薬品」指定を推進するとともに、取り締まりを強化している。
国内で規制を強化しているにもかかわらず、法の抜け穴を利用した海外での処方が国民の健康を脅かしており、関係当局による実態把握と対策が急がれるとの指摘が出ている。