米国防長官 韓国の原潜導入「積極支援」=韓国国防相「核兵器開発はあり得ない」

【ソウル聯合ニュース】韓国の安圭伯(アン・ギュベク)国防部長官と米国のヘグセス国防長官は4日、ソウルで開かれた定例安保協議(SCM)で、韓国の原子力潜水艦導入や米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国への移管などについて議論した。

 両氏は10月29日に開催された韓米首脳会談で議論された韓国の原潜導入を巡り、緊密に協力することを確認した。ヘグセス氏はSCM後の共同記者会見で、韓国の原潜導入をトランプ米大統領が承認したとして「当然、軍当局は最善を尽くして積極的に支援する」と表明。米国務省やエネルギー省とも緊密に協力すると説明した。

 また、「トランプ大統領は米国の同盟の能力が向上することを願っている」として、「韓国がより強力な能力、最高の能力を持つことに対し心を開いて承認した」と強調。「肯定的な結果がもたらされると確信する」と述べた。そのうえで、「韓国は造船業で世界的な水準の能力を持っている」とし、「米政府は潜水艦だけでなく、水上艦、戦闘艦などさまざまな分野で協力を強化することを望んでいる」と表明した。

 安氏は韓国が核兵器の開発を求めているかどうかに関し、「韓国で核兵器の開発はあり得ない」と否定した。また、「韓国は核拡散防止条約(NPT)に加盟している国で、本質的に核を保有できない」として、「朝鮮半島の非核化は揺るぎのない約束」と従来の立場を改めて示した。

 米国の戦術核兵器が再び朝鮮半島に配備されることを望むかどうかについては、「核を保有できないため、米国の核と韓国の通常兵器、核・通常戦力統合(CNI)体制が構築された」と答えた。

 SCMでは李在明(イ・ジェミョン)大統領が任期中の実現を目指している有事作戦統制権の韓国への移管を巡る議論も行われた。有事作戦統制権の移管は、▼初期作戦運用能力(IOC)▼完全運用能力(FOC)▼完全任務遂行能力(FMC)――の3段階の検証を経る。現在、FOC評価を終えて検証が進められている。SCMではFOC検証を完了する目標時期についても意見交換したようだ。

 また、安氏は国防費を増額する計画を説明し、ヘグセス氏は歓迎の意思を示したという。ヘグセス氏は「韓国政府が国防費支出を増やし、ミサイルやサイバー分野など中核的な軍事能力への投資を強化すると表明したことを歓迎する」と述べた。

 両氏は在韓米軍の戦略的な柔軟性に関しても議論した。ヘグセス氏は在韓米軍が台湾海峡危機などにも投入される可能性を問われ、「域内の非常事態に対処できる柔軟性の向上が必要な状況」だとして、「韓米の率直な意思疎通を通じて効果的に対処する。結論的には対北朝鮮の通常防衛では韓国が主導的な役割を果たす」と述べた。北朝鮮の通常型の脅威に対しては韓国が主導的な役割を果たし、在韓米軍は韓国と協議し必要時は北朝鮮だけでなく、域内のさまざまな脅威にも対応することを示唆した発言とみられる。

 SCMは韓国と米国の主な軍事政策を協議・調整する国防分野の最高協議会で、ソウルとワシントンで毎年交互に開催されている。SCM後に共同声明を発表するが、今年は両国が詰めの協議を行っている安全保障・関税分野のファクトシート(説明資料)の発表後に公表する。

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