韓国検察の控訴放棄で大庄洞一味の懐に入った7000億ウォン超の犯罪利益は民事訴訟で回収できるのか

韓国検察の控訴放棄で大庄洞一味の懐に入った7000億ウォン超の犯罪利益は民事訴訟で回収できるのか

 「大庄洞背任事件」の被害者である城南市傘下の城南都市開発公社が、大庄洞開発に携わった民間業者らがむやみに処分できないように凍結措置を取った財産は、これまでに62億ウォン(現在のレートで約6億5300万円。以下同じ)相当に過ぎないことが12日までに確認された。これは、城南都市開発公社が民間業者を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で勝訴した場合、実際にお金を取り戻せるようにあらかじめ確保しておいた資産だ。民間業者が持っていった大庄洞開発の収益7886億ウォン(約830億円)には到底足りない。

【表】大庄洞一味が検察の控訴放棄で事実上無罪になった理由

 城南都市開発公社は2022年6月、火天大有資産管理の関連会社である天火同人1号の所有するタウンハウスに対して「不動産処分禁止」の仮処分を申請し、認容決定を受けた。タウンハウスの価値は62億ウォン相当だ。民事上の処分禁止仮処分は、お金を返済すべき債務者が財産を任意に売却できないようにしばりをかける措置。火天大有の大株主である金万培(キム・マンベ)被告が事実上のオーナーである天火同人1号は、大庄洞事業に携わった火天大有の子会社で、大庄洞開発の利益およそ1200億ウォン(約126億円)の配分を受けた。

 城南都市開発公社がしばりをかけた民間業者の財産は、これだけだ。公社は南旭(ナム・ウク)弁護士が所有していたソウル市江南区のビルと江原道所在の事業場など319億8000万ウォン(約33億7000万円)相当の不動産についても仮処分申請を出したが、2023年に棄却されたという。法務部(省に相当)側は「検察が追徴補填(ほてん)する2000億ウォン(約211億円)に城南市が仮差し押さえをしたので、損害賠償に問題はない」としていたが、実際には仮差し押さえをしていないことが判明した。

 10月31日に裁判所は、大庄洞の一審判決で民間業者らの業務上背任を有罪と認めつつも、追徴金については検察が算定した民間業者の犯罪収益に大きく及ばない473億ウォン(約49億8000万円)を宣告した。検察が控訴を放棄したことにより、控訴審では一審の追徴額以上の宣告を受けることは不可能になった。ある弁護士は「民事訴訟で損害を回復できるというのは、現実から懸け離れた認識」だとし「検察は控訴して追徴金額を争うべきだった」と語った。

キム・ウンギョン記者

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