洪壮源メモの信ぴょう性巡り被告人・尹錫悦「ミミズのような字で作成者不明」 内乱裁判

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による内乱事件の公判が13日、ソウル中央地裁で開かれ、今年2月に尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の憲法裁判所での弾劾審判で論議を呼んだいわゆる「洪壮源(ホン・ジャンウォン)メモ」を巡る攻防が続いた。このメモは尹前大統領弾劾訴追案が可決される主な根拠になり、憲法裁でも証拠能力が争点となった。

【写真】弾劾審判で論議を呼んだ「洪壮源メモ」

 尹前大統領は公判で「(メモの)草稿を見ると、ミミズのような字だった」と述べ、信ぴょう性を問題視した。

 洪壮源(ホン・ジャンウォン)元国家情報院第1次長による「メモ」は数回にわたって作成された。 当初は戒厳当日、呂寅兄(ヨ・インヒョン)元防諜司令官と電話しながら「草稿」を作成し、それを洪元次長の補佐官が書き写したが、今は廃棄された。翌日、洪元次長は補佐官に記憶をたどって書き直すよう指示し、そこに洪元次長自身が加筆したものが今回の公判に提出されたメモだ。

 尹前大統領の弁護人は「メモには証人(洪元次長)が作成した部分があまりなく、残りは補佐官が作成したとみられる」とし、「作成者に文書内容に問題がないか確認すべきだ」と主張した。これに対し、裁判所は「文書を作成する際に草案を指示し、確認後に抜け落ちた部分があれば加筆したということのようだが、それならば本人の作成と見なすべきではないか」と質問。すると、尹前大統領は「草稿は文字がミミズのようだった。提出されたメモとは似てもいない」と述べ、作成者は不明だと主張した。

 これについて、洪元次長は「このメモは報告書でもなく公文書でもない。ただ私が参考にするために作成したものだ」と述べた。なぜそれが争点にになるのか理解できないという趣旨だった。そして、洪前次長はメモ作成の経緯について、「戒厳直後、大統領が電話をかけてきて『非常戒厳令の放送を見たか』と言うので、『見た』と答えると、『全てを盛り込んで整理しろ』『対共捜査権を支援する』との話があった」とした上で、「国軍防諜司令部を支援しろと言われたが、単純な支援ではなく人員や予算を無条件で支援しろと強く話していた」と証言した。

 洪元次長は公判で、自身の行動が記録された国家情報院の監視カメラ映像が外部に公開されたことも問題視した。洪元次長は当時、メモを作成した時間と場所を「昨年12月3日午後11時6分、国家情報院長公館入口の空き地」と説明していたが、国民の力は今年2月、国家情報院を通じ、当時洪元次長が国情院本庁に入る姿が映った監視カメラ映像を入手し公開した。これについて、洪元次長は「監視カメラ映像はかなり編集された状態で偏向的に公開された」と主張した。

オ・ユジン記者

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