韓国野球委員会(KBO)リーグは昨年からすべての球場で自動投球判定システム(ABS)を導入している。だが、WBCではABSではなく審判が肉眼でストライクとボールを判定するため、今回の強化試合でも同様だった。ABSに慣れている韓国代表チームの投手たちは、KBOリーグより比較的狭いストライクゾーンに適応するのに苦労したとの指摘もある。しかし、同じ環境で試合をした日本の投手にはそれほど大きな問題が見られなかったことを考えると、2試合で23四死球出したことをストライクゾーンのせいにするのは無理がある。
日本とのレベルの差をあらためて認識することになった残念な試合だったが、「テーブルセッター(1・2番打者)」の活躍がせめてもの救いだった。1番打者を務めた二塁手の申珉宰(シン・ミンジェ)=LGツインズ=はこの二日間でチーム最多の4安打を放ち、2番打者だった右翼手の安賢民(アン・ヒョンミン)=KT=は2試合連続本塁打と長打力をアピールした。安賢民は特に、第1戦の4回表に飛距離129メートルに達する先制2ランを放ち、第2戦でも7-5でリードされていた8回裏にレフトスタンドに入るソロ本塁打を放った。安賢民のホームランが出るたび、東京ドーム内の日本のファンはしばらく言葉を失うほどだった。日本代表チームの井端弘和監督も「当たったらあれだけの飛距離(が出るのは)、怖いなと思った。あそこまで当てる選手は日本にもなかなかいない、メジャー級の選手だと思った」と感嘆した。
ヤン・スンス記者