「韓国は北・中・ロをけん制する戦略的中心軸」 在韓米軍司令官が逆さ地図で説明

北の抑止よりも戦略的柔軟性を強調

 第1列島線は、日本列島南端から沖縄・台湾・フィリピンを結ぶラインで、中国の立場からは自国近海の防衛線、米国の立場からは中国の太平洋進出を防ぐ封鎖線だ。ところが在韓米軍は、台湾有事の際に米軍が侵入すべき第1列島線内に既に配備されている、ということを強調したのだ。

 こうした主張の背景には、米国内の「在韓米軍削減論」があった可能性も指摘されている。ブランソン司令官は、地図をひっくり返して見ることを「北京の視点」と呼び「北京から見れば、烏山空軍基地に駐屯している米軍は複雑な力の投射が必要な遠方の脅威ではなく、中国内部やその周辺へ即座に影響を与える至近戦力」だと評した。トランプ政権の一部は在韓米軍を「財政的負担」としか見ていないが、中国の立場からは即時の脅威、という意味だ。

 対中けん制政策の一環として、ブランソン司令官は「韓国・日本・フィリピンを結ぶ戦略的三角形」を提示し「(米国と)相互防衛条約を締結した3パートナー国を結ぶ三角形の頂点として見ると、これらの国々の集団的潜在力が明らかになる」とも語った。韓国は「域内の中心的なポジショニングとロシア・中国双方に負担をかけられる能力」、日本は「先端技術力と太平洋の海上交通の中心的要衝に対するコントロール」、フィリピンは「太平洋とインド洋を結ぶ航路のコントロールと南方へのアクセスポイント」をそれぞれ提供しているのだ。

 ダリル・コードル海軍作戦部長も今月14日、「韓国の原子力潜水艦を中国抑止に活用するということは自然な予測」だとし、台湾有事における韓国の役割に言及したことがある。だが韓国外交部(省に相当)はこの日、「(原潜の建造は)特定国を対象にするものではない」として対中けん制論に反論した。

ヤン・ジホ記者

【写真】韓・日・比「戦略的三角形」の頂点・韓国を逆さ地図で確認

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