韓国政府「福島第一原発近海でトリチウム13回検出されるも基準値超過なし」 通算16回目の汚染水放出終了

 東京電力が先月30日から今月17日にかけて福島第一原子力発電所の放射能汚染処理水を海洋放出した間に、原発近くの海から放射性物質「トリチウム(三重水素)」が検出された。韓国政府が19日に発表した。だが、トリチウムの濃度は海洋放出を中止しなければならない水準には達していないとのことだ。

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 韓国国務調整室の金永洙(キム・ヨンス)国務第1次長は同日、書面ブリーフィングで、「東京電力が10月30日に始めた通算16回目の汚染水海洋放出は17日午後12時3分ごろ終了した。今回の海洋放出期間には計7838立法メートルの汚染水が放出され、放出された汚染水に含まれているトリチウムは約2.0兆ベクレルだった」と明らかにした。

 さらに、「海洋放出期間中、東京電力が福島第一原発から3キロメートル以内の海域10カ所および10キロメートル以内の海域4カ所で試料を採取し分析した結果、3キロメートル以内の4カ所でトリチウムが13回検出された」とも述べた。この時に検出されたトリチウムは平均で1リットル当たり約19ベクレルだったという。

 しかし、金永洙次長はこのトリチウムが「放出中止基準を超過してはいない」としている。原発から3キロメートル以内の海の場合、トリチウムが1リットル当たり700ベクレル以上検出されたら海洋放出を中止しなければならないが、今回検出されたトリチウムの濃度は約37分の1だった。

 金永洙次長によると、韓国原子力安全技術院(KINS)所属の専門家が福島に先週派遣され、東京電力の汚染処理水海洋放出が正常に行われているかどうかを監視する国際原子力機関(IAEA)の現場事務所関係者と海洋放出の状況に関する情報を共有したとのことだ。金永洙次長は「IAEAが東京電力の現場点検で海洋放出設備に異常がないかどうかを確認した結果、特異事項はなく、福島第一原発に近い海域のトリチウムのモニタリング結果も異常値判断基準未満であることを確認したと説明した」と述べた。

 東京電力は2011年、福島第一原発で発生した事故を処理する過程で生じた放射能汚染水を水槽に保管、「多核種除去装置(ALPS)」によって放射能物質をろ過する処理を経た水を一定量ずつためておき、海洋に放出している。海洋放出は2023年8月24日から行われ、今回が通算16回目の海洋放出だった。

金耿必(キム・ギョンピル)記者

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