■ロシア「日本はまず歴史を反省せよ」
一方、中国の友好国であるロシアと北朝鮮は「日本たたき」に加わり、中国の味方をしている。国営の中国中央テレビは21日、「ロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は『日本軍国主義が繰り広げた侵略戦争は、アジアと世界に深刻な災難をもたらした。高市首相らは歴史を深く反省し、誤った発言と行動がもたらす最終的な結果に警戒すべきだ』と警告した」と報じた。北朝鮮は高市首相の名前を直接は挙げていないが、18日の国連年次討論で日本の歴史的な過ちを批判する中国側の主張に加勢し、「国際社会は日本が犯した人類史上、前例のない悪質な反人類犯罪を今も覚えている」と非難した。
中国では香港までもが日本に対する圧力に動員している。香港は独自の日本旅行自制令を出したほか、20日には香港公営放送が日本のアニメ『はたらく細胞!!』の放送を正式に打ち切った。香港政府関係者は「『一つの中国』の原則がかかっている政治問題なので、中国と完全に歩調を合わせるしかない」と話している。
中国軍の南シナ海艦隊が19日に公開した映像では、武装した軍人が「今夜戦闘が始まっても、いつでも準備できている」「戦友よ、準備できているか」と話す様子が写っていた。シンガポール南洋理工大学のリー・ミンジャン教授は「中国は日本に対し全方位的に圧力をかけ、台湾問題に対する断固とした姿勢を米国に伝えようとするだろう」と語った。
■韓国にも飛び火する恐れ
日中の激しい対立は韓国にも「飛び火」しそうだ。まず、ようやく回復しつつあった韓中日の協力メカニズムが再び揺らいでいる。中国は「高市首相の発言により3カ国会議の開催条件が整わなくなった」として、24日にマカオで予定されていた韓中日文化相会議を延期した。このようなムードの中では、年内開催が予想されていた韓中日3国首脳会議も難しいと思われる。また、米国が日本を支援する中で「韓日米3カ国協力」を強調しているため、今回の事態に韓国も見解表明を求められる形で巻き込まれていく可能性もある。
北京=李伐チャン(イ・ボルチャン)特派員