韓国公務員射殺事件 被害者の兄が監査結果を批判「共に民主党政権、自分たちに都合が悪い事実は軍事機密扱い」

「不公正な態度には遺族として怒りを感じる」

韓国公務員射殺事件 被害者の兄が監査結果を批判「共に民主党政権、自分たちに都合が悪い事実は軍事機密扱い」

 西海での公務員殺害事件の監査結果の発表について監査院は「軍事機密漏えいに当たる」との判断を下したが、この事件の被害者である故イ・デジュンさんの兄イ・レジンさんは26日、監査院の判断に対し「遺族として怒りを感じる」と述べた。イ・レジンさんは「共に民主党政権が越北と発表した時は軍事情報を公開したが、自分たちに都合が悪い事実が明らかになると機密を口実に事実関係を隠そうとしている」と批判した。

 イ・レジンさんは本紙の電話取材に「弟が死亡した2020年から5年以上にわたりこの事件を見守ってきた。(事件当時の)文在寅(ムン・ジェイン)政権や今の李在明(イ・ジェミョン)政権は自分たちに不利な事実は『軍事機密』『安全保障関連』を口実に一斉に口を閉ざしてしまう」「真実が解明されると軍事機密を言い訳に隠そうとするのが彼らの小手先の手口だ。今回の監査院の発表もその延長線上だろう」などと指摘した。

 イ・レジンさんは共に民主党政権の監査院に対し「自分たちが欲しい軍事情報はいくらでも入手しながら、公開すれば不利になる情報に対しては違った態度を取る」として「完全に矛盾している」と批判した。2020年の事件発生直後、文在寅政権は「イ・デジュンさんは北朝鮮軍に発見された時にライフジャケットを着用していた」「イ・デジュンさんは北朝鮮軍に越北の意思を伝えた」と主張し、これを根拠に「自分から北朝鮮に渡った」と結論づけたが、これも微妙な軍事情報に相当するというのだ。

 この事件の監査の結論は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権ですでに出ているが、それが李在明政権で覆されることをイ・レジンさんは懸念しているという。特に今回の監査院の決定が西海殺害事件関連の裁判に影響しないか心配している。イ・レジンさんは「12月26日には西海事件の一審判決が予定されている。裁判の結果まで勝手に書き換えられないか疑っている」と述べた。現在、徐薫(ソ・フン)元青瓦台(韓国大統領府)国家安保室長と朴智元(パク・チウォン)元国家情報院長が西海事件の事実関係を隠蔽(いんぺい)・削除した容疑などで起訴されており、近く一審判決が下される。検察は徐薫元室長に懲役4年、朴智元元院長に懲役2年を求刑している。

 イ・レジンさんは声明で「監査院は今回のようなことを言い出すのではなく、たとえ権力を持つ人間でも間違ったことはしっかりと指摘し、国民の権利と名誉を守るのが当然だ。もし犯罪者の犯罪行為を隠蔽し、無かったことにするなら、これは明らかに犯罪だ」と主張した。

クォン・スンワン記者

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