鎌倉・高徳院「観月堂」の韓国返還に尽力 佐藤孝雄住職に大統領表彰

【ソウル聯合ニュース】韓国の国家遺産庁は9日、日本による植民地時代に神奈川県鎌倉市の高徳院に移された韓国の建造物「観月堂」の韓国返還に尽力した高徳院の佐藤孝雄住職に大統領表彰を授与すると発表した。

 慶応義塾大教授で考古学を専門とする佐藤氏は、朝鮮王朝の祠堂(しどう)の建物だったと推定される観月堂の韓国返還に大きな役割を果たした。今年6月、韓国の国家遺産庁、国外所在文化遺産財団と約定を結び、観月堂の全ての部材を一切の条件をつけずに寄贈した。

 観月堂は日本の植民地時代だった1920年代に朝鮮殖産銀行の手に渡った後、山一合資会社(後の山一証券)の社長だった杉野喜精氏に譲渡されて日本に渡り、同氏が高徳院に寄贈したもの。佐藤氏の尽力で100年ぶりの韓国帰還を果たした。

 佐藤氏は2002年に同院の住職になって以降、韓国への返還を進めた。日本の右翼団体からの圧力にも屈せず、建物の解体や部材の韓国輸送の費用も全て私費で負担した。韓国メディアのインタビューで同氏は、建物の意義を生かすためには本来あった韓国に戻すべきだと考えたと語った。

 部材は現在、ソウル北方・坡州の伝統建築修理技術振興財団の収蔵庫に保管されている。

 国家遺産庁は佐藤氏の大統領表彰について「文化遺産を通じた韓国と日本の友好・交流の実践に寄与した」と説明した。

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