韓国「最長寿」教養誌が無期限休刊へ かつてハン・ガン氏も在籍

【ソウル聯合ニュース】韓国最長寿の教養雑誌、月刊「セムト」(泉のほとり)が24日に発行される2026年1月号(通巻671号)を最後に無期限休刊する。同誌を発行する出版社が10日、伝えた。

 同社は「スマートフォンが紙の本に取って代わり、映像コンテンツの需要が活字メディアを飛び越える時代的流れに勝てなかったことに伴う決定」と説明した。

 同誌は「平凡な人々の幸せのための雑誌」をテーマに掲げ1970年4月に創刊された。当時発行人を務めた故金在淳(キム・ジェスン)元国会議長は「セムトは偽りなく人生を歩もうとするすべての人に優しい心の友になることを誓う」と宣言した。

 アジア人女性で初めてノーベル文学賞を受賞した作家ハン・ガンさんも大学卒業後、同誌編集部で2年間働いていた。

 同誌は1990年代初めまでは販売部数が50万部に達する人気雑誌だった。名物企画「母への手紙」コンテストでは1カ月に約1万通の手紙が編集部に届けられたという。

 1990年代中盤から資金繰りが難しくなってきた同誌は創刊50周年を控えて2019年に一度休刊を発表したが、企業や読者のサポートのかいもあって危機を乗り越えた。

 しかし、その後も販売部数の減少と収益悪化が続き、再び休刊を決めた。

 同出版社の代表で、同誌の発行人を務める金聖亀(キム・ソング)氏は「雑誌は休刊するが単行本の発行は続ける」として「物質と成功だけに従わず心構えと人生の態度を重視するセムトの精神を継続して守っていく方法を多角的に模索する予定」と話した。

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