【ソウル聯合ニュース】韓国を訪れた外国人観光客が海外発行のクレジットカードを決済端末にかざすだけでバスや地下鉄などの公共交通機関に乗れるよう、韓国政府が「オープンループ乗車システム」の導入を進めている。外国人客が交通系ICカードや切符を購入する不便を解消し、利用しやすくすることを目指す。
業界関係者は15日までに、国土交通部が同システム導入に向けた研究事業の入札を行い、業者の選定を進めていると明らかにした。研究は今月から始まり来年末まで行われる予定だ。導入が確定すれば、実際に導入されるのは早ければ再来年になる見通しだ。
今年1~10月の訪韓外国人観光客は1582万1000人で、前年同期比15.2%増加した。新型コロナウイルス禍前だった2019年同期間の108.4%水準に回復した。ただ、外国人客が交通機関利用時に現金で切符や交通系ICカードを購入・チャージしなければならない不便は解消されていない。米ニューヨークや英ロンドン、シンガポールなどの海外の主要都市ではすでにオープンループ乗車システムが導入されている。
国土交通部はシステム導入に必要な予算を算出し、負担する主体を検討する。国内規格の決済端末を国際標準の端末に交換し、認証モジュールや決済サーバーなどを設置する必要があり、数千億ウォン(約数百億円)の費用がかかる見通しだ。
ソウル市は今年10月、独自に同システムを2030年までに段階的に導入する計画を発表していた。今後、国土交通部と協力し、共同で標準策定を進める見通しだ。