中国の大手アルミニウムメーカー「明泰アルミニウム(明泰アルミ)」が、全羅南道光陽市内の世豊産業団地に設立した工場で中国人を不法に雇用しているという疑惑が浮上し、韓国法務部(省に相当)が調査に乗り出したことが4日までに分かった。明泰アルミは工場設立当時「韓国人の雇用効果」を大々的に宣伝していた。ところが実際には中国人労働者を経営・管理職ビザで韓国に入国させた上で、工場の生産業務に投入する「ビザ・ロンダリング」(出入国管理法違反)を行っていることが最近になって分かった。
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明泰アルミは世豊産業団地に進出した外国企業の「第1号」で、2019年に1000億ウォン(約105億円)を投じて工場を設立した。当時、光陽市の住民は「アルミニウム工場は大量の粉じんや大気汚染物質を放出する」として進出に反対していた。また、巨額の資金を持つ中国企業が韓国に生産基地を構えた場合、韓国の中小企業が苦境に陥るとの懸念もあった。反発を鎮めるために、光陽市の経済庁と明泰アルミは「韓国の労働者を採用する」とアピールした。明泰アルミは「光陽および全羅南道地域に住む人を優先的に採用し、採用人数の相当数を地元住民で満たす」としていた。工場投資の見返りに、明泰アルミは5年間の法人税免除など税制面で破格の待遇を受けた。
ところが、本紙が入手した明泰アルミの内部文書で、中国人を不法に雇用していることが明らかになった。中国の労働者らを経営・管理要員向けに発給される企業投資ビザ(D-8-1)で入国させ、実際には製造の現場に配置していたのだ。企業投資ビザは専門・管理職に限って与えられるビザで、生産に従事することはできない。
これに違反した場合、外国人労働者は追放されるか3年以下の懲役および3000万ウォン以下の罰金刑に処せられる可能性がある。虚偽就業をあっせんした会社には500万-2000万ウォンの過料が科される。この工場に就職した複数の韓国人労働者は「このようにして虚偽のビザをもらっている中国人労働者が数十人いると聞いている」と話した。
労務の専門家らは「生産労働が可能な非専門就業ビザ(E-9)などは発給に時間がかかり、滞在期間も4年以上は難しい」として「韓国人ではなく自国民(中国人)を雇用するために強引な手を使っているようだ」と指摘した。明泰アルミは不法雇用疑惑についての本紙の質問には答えていない。
チャン・ユン記者