尹前大統領妻が人事・党候補選びに介入 「国家システム崩壊」=特別検察が最終捜査結果

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)被告を巡る不正疑惑を180日間捜査した特別検察官チームは29日、最終捜査結果を発表し、「金氏は大統領配偶者の身分を利用し、高価な金品を受け取り、さまざまな人事や(当時与党だった『国民の力』の)公認候補選びに幅広く介入した」と明らかにした。 

  

 特別検察官チームは長期間、社会的な論争を呼んだ輸入車ディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作事件の捜査を終了したことを主な成果に挙げた。同事件は検察が2020年から捜査を行ったが、昨年10月、「嫌疑なし」で不起訴処分としていた。特別検察官チームは再捜査を行い、金氏を資本市場法違反の罪で起訴した。

 高価な金品の受領を解明したことも成果として挙げた。金氏が知人の牧師から高級ブランドバッグを受け取る映像が公開され、国民的な怒りを買ったが、検察は昨年、金氏を不起訴にした。特別検察官チームは金氏をあっせん収賄罪でも起訴した。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側から教団に便宜を図る見返りに高級ブランドバッグやダイヤモンドのネックレスを、建設会社の会長から娘婿の弁護士が政府の要職に任命されるよう取り計らう見返りに貴金属を、李培鎔(イ・ベヨン)氏から大統領直属の国家教育委員会の委員長(閣僚級)に任命される見返りに金の亀の置物を受け取ったことも判明した。金建希氏の支援を受けて2023年3月の党代表選に当選した国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)国会議員と妻が、見返りとして高級ブランドバッグを贈ったことも明らかにした。

 特別検察官チームは「大統領夫人が大統領の権力を後ろ盾に不正腐敗の典型である官職売買を繰り返し、国家システムを崩壊させながらも大統領の庇護(ひご)で処罰を受けなかったが、徹底的な捜査によってその実態が明らかになった」と強調した。

 旧統一教会を巡る疑惑に関しては、「旧統一教会が尹政権にさまざまな請託をし、国の人的、物的な資源が動員され、請託の大部分が実現した」とし、「その見返りとして旧統一教会が大統領選や党代表選に介入し、憲法上の政教分離の原則や民主主義の根幹である選挙の公正性を傷つけた典型的な政教癒着事件」と指摘した。

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