韓国検察が、一審で全員無罪の言い渡しがあった西海公務員射殺隠蔽事件に関連して、控訴期限の最終日である2日に一部控訴した。進歩(革新)系与党・共に民主党の朴智元(パク・チウォン)議員などについては控訴を放棄した。
ソウル中央地検は2日、徐薫(ソ・フン)元国家安保室長と金洪熙(キム・ホンヒ)元海洋警察庁長の名誉毀損等容疑について控訴し、朴議員と徐旭(ソ・ウク)元国防相などの職権乱用・権利行使妨害等容疑については控訴しないことにしたと発表した。これに伴い、朴議員などは無罪が確定した。
ソウル中央地検は「西海公務員射殺隠蔽事件の一審無罪判決について証拠関係と関連法理を綿密に検討し、大検察庁(最高検)との協議を経て一部控訴を決定した」と説明した。
その上で「拉北(北朝鮮に拉致された)かどうか不明確な状況で自主越北(自ら北朝鮮へ渡った)したかと誤認されかねない捜査結果を発表し、これにより犠牲者と遺族の名誉を毀損(きそん)した部分などについては控訴を提起した」「残りの部分については控訴の実益などを考慮して控訴を提起しないことにした」とコメントした。
検察の控訴期限は2日の24時までだった。
先に国家情報院(韓国の情報機関。国情院)は、西海公務員射殺隠蔽事件の一審で徐・元室長と朴・元院長などに無罪が言い渡されたことを受け、告発を取り下げた。国情院は12月29日、「司法府の判断を尊重しつつ国家機関として過去の誤りを正し、被告発人に対する速やかな権利回復支援義務を尽くすため、告発から一審判決までの全ての過程に対する綿密な内部検討を経て、元院長等に対する反倫理的な告発を取り下げることにした」と発表した。
さらに「(尹錫悦〈ユン・ソンニョル〉政権の)監察調査は特定人物を刑事告発する目的で実施されたものとみられる等、監察権の乱用に該当する可能性が高い」「事件関係者らの職務行為に犯罪容疑があるという結論を導き出すため、事実に反して告発内容を構成したり、法理を無理に適用したことを確認した」と主張した。
一審で起訴された5人全員に無罪が言い渡されたことを受け、検察が控訴するかどうかが韓国政界で議論になっていた。朴・元院長は「当事者である国情院が告発を取り下げたのであれば、事件を捜査してきた検察は控訴を放棄し、当時捜査した検事たちについて監察および捜査等を通して断罪すべき」と批判した。
金民錫(キム・ミンソク)首相と鄭清来(チョン・チョンレ)民主党代表も、「無理な起訴」だとする立場を表明した。鄭成湖(チョン・ソンホ)法相は2日、政府果川庁舎で取材に応じ、「典型的な政治報復捜査だった」と語った。ただし、控訴するかどうかについて捜査指揮する計画はない、とも述べた。
キム・ウヨン記者