【奈良聯合ニュース】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は13日午後、奈良市で高市早苗首相と会談し、今年を韓日関係の新たな60年の出発点とすることを強調し、「今年が、両国が共に未来に向かう元年になることを願う」と述べた。
李大統領が昨年6月の就任後、韓日首脳会談を行うのは5回目で、高市首相との会談は2回目となる。李大統領と高市首相は昨年10月末、韓国南東部・慶州で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて会談しており、首脳が相互往来する「シャトル外交」が定着する段階に入ったものと受け止められる。
注目すべきは両首脳の議論が国民生活や経済分野の具体的な成果につながった点だ。人工知能(AI)や知的財産保護などの分野で両国の協力を進めるための実務協議の継続を確認。出入国手続きの簡素化や相手国への修学旅行の奨励も推進する。国境を越える犯罪への共同対応も強化し、韓国警察庁主導で発足した国際協議体に日本が参加することで合意した。
歴史問題では、日本による植民地時代に朝鮮半島出身者が労働を強いられた山口県宇部市の海底炭鉱、長生炭鉱で1942年に水没事故が発生し、朝鮮半島出身者を含む183人が死亡したことを巡り、遺骨の共同発掘・鑑定を推進することで一致した。
両国が鋭く対立する問題の代わりに、両国民が被害を受けた同問題の解決をカードにすることで突破口を開いたことになる。これが別の歴史問題の解決に向けた足場になるとの期待も読み取れる。
李大統領は「過去の歴史問題で小さいが意味のある進展を成し遂げ、意義深く思う」と評価した。
一方で旧日本軍の慰安婦問題や徴用に対する謝罪の要求、独島領有権問題などの敏感な問題は本格的に取り上げられなかったもようだ。福島県などからの水産物に対する韓国の輸入規制措置についても首脳会談後の共同記者発表では言及されなかった。