ところが需要予測が大きく外れた。仁川市と仁川国際空港は駅周辺にホテル、リゾート、ウオーターパークなどが建設されるとの想定で1日平均3万-4万人の利用客を見込んでいたが、実際はこれらの開発事業が相次いで取りやめとなり、利用客は増えなかった。実際にウオーターパーク駅周辺にウォーターパークは存在せず、何もない野原だけが広がっている。関連する工事計画も決まっていない。しかも永宗島の観光地である乙旺里海水浴場は終点の竜遊駅から7キロも離れている。これらの理由から利用客が最も多かった2019年でも1日の平均利用客は4000人にとどまっていた。
政府は磁気浮上式鉄道を活用する方策について検討を行っているが、現時点で明確な対策は提示できていない。一時は撤去も検討されたが、これには600億ウォン(約65億円)の費用がかかるという。最終的に列車のコンセプトを「都市鉄道」から「観光列車」に変更し、運行回数を従来の1日103回から24回に減らした上で昨年10月に運行を再開した。これにより運営費用は80億ウォン(約8億7000万円)から50億ウォン(約5億4000万円)に抑えることができた。しかし利用客は今も1日1000人ほどと当初予想の5%にも満たない状況だ。空港関係者は「駅ナカ売店などの賃料や広告事業で稼ぐには乗客が少ないし、運賃を徴収すると今以上に乗客が減ると予想されるため、全くどうしようもできないのが現状だ」と嘆く。
今後の見通しも暗い。国土交通部(省に相当)が行った調査によると、この磁気浮上式鉄道の維持費は今後30年間で4000億ウォン(約430億円)以上が見込まれている。専門家は「新しい技術にあまりにも楽観的で、財政負担だけが膨らんだ」と指摘する。韓国交通研究院のキム・ギョンテク副研究委員は「磁気浮上式鉄道を撤去するには埋没費用(支出済みで回収の可能性のないコスト)があまりに巨額で、自治体が周辺の観光資源を活性化する以外に解決策はない」との見方を示している。
永宗=ユン・サンジン記者