「米国政府は介入をやめろ」「平和とか悠長なことを言うな」
ソウル市竜山区のイラン大使館前で16日、幅10メートル前後の道路を挟んで韓国の労働者団体と韓国在住イラン人たちがそれぞれ集会を開いた。米国は先日、反政府デモが続くイランへの軍事介入の可能性を示唆したが、これに対してマルクス主義と反米を掲げる「労働者連帯」の活動家たちが同日イラン大使館前で「米国政府はイランから手を引け」と主張した。するとこれに対抗して数メートル離れた道路を挟んだ反対側で、十数人のイラン人たちが「あなたたちの主張はイラン人に死ねという意味だ」「イラン人の切実な思いを聞いてほしい」と訴えた。
この集会に参加したイラン人たちは「イランにとって戦争はすでに現実だ。イランの切実な状況について軽々しく口にするな」と批判した。集会の先頭に立ったのは韓国のIT企業でAI(人工知能)を研究するサナズさん(33)。2019年に博士課程を履修するため韓国にやって来たサナズさんが集会に参加した理由は、数日前に妹から受け取ったメールだという。妹は「今回(反政府デモで)勝てなかったら全員が刑務所行きだろう」と伝えてきたそうだ。サナズさんは本紙の取材に「1万2000人が虐殺された状況で『米国の介入反対』を叫ぶのは、今も多くの人に死ねというに等しい」と訴えた。
会見に出席したコグヌスさん(23)は「妊娠した状態では埋葬できないとするイスラム教の戒律を口実に、イラン政府は遺体の腹を引き裂き妊娠していないか確認している。死んだ人間の尊厳まで傷つける野蛮な行為だ」と批判した。ある留学生は「70-80代の高齢者も自宅の窓から声を上げて反政府デモを応援している」と伝えた。集会に参加したイラン人たちはパーレビ王朝(1925-1979)当時のイラン国旗と米国で亡命生活を続けるレザ・パーレビ元皇太子の写真を手にしていた。パーレビ元皇太子はイランの反政府デモを支持している。
韓国在住イラン人の抗議を受けた労働者連帯は韓米同盟に反対し、国家保安法廃止を主張している。彼らはこの日も「米国の制裁と軍事行動がイランの混乱を引き起こした」と訴えた。労働者連帯は2024年12月に北朝鮮軍のウクライナ派兵が報じられた時にも「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の詐欺だ」と主張し、先日も「イランの経済難は米国の制裁が原因」という声明を出した。イラン人たちの抗議を意識したのか、今回労働者連帯の一部会員は「イランの反政府デモを支持する」などと書かれたプラカードを手にしていた。
韓国在住イラン人たちは17日午後にも、ソウル市中心部の光化門でイラン市民の悲惨な現状を伝える集会を開く予定だ。イラン人たちは「イラン人の願いは壮大な政治論理ではない。ただ家族が生きて戻って来られるように支援の手が必要なだけだ」と話した。
ク・アモ記者、キム・ミンヒョク記者