金建希夫人の株価操作疑惑は無罪、非常戒厳宣布を招いた政争の竜頭蛇尾【1月29日付社説】 

 ソウル中央地裁刑事部の禹仁成(ウ・インソン)部長判事が28日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人のドイツ・モータース株価操作疑惑を巡る一審の裁判で無罪を言い渡した。「金夫人が株価操作勢力においていかなる役割を果たしたかに関する資料がなく、手数料を受け取ったことから見ると、株価操作勢力と共謀した内部者ではない」という。株価操作を知っていて黙認したことはあり得るが、「共犯」として処罰するのは困難という趣旨だ。

【表】懲役15年求刑→懲役1年8月 被告人・金建希の一審判決

 株価操作事件は、尹・前大統領夫妻が結婚する前の2010年に起きたことで、単なる刑事事件だった。ところが文在寅(ムン・ジェイン)政権は20年、当時の尹検察総長を捕らえるために政権寄りの検事を動員し、1年半以上も捜査した。秋美愛(チュ・ミエ)法相は捜査指揮権まで発動した。株価操作は証拠を残すケースが多いにもかかわらず、当時の検察は金夫人の容疑を立証できなかった。

 それにもかかわらず、進歩(革新)系の「共に民主党」は大統領選挙の期間中、ずっと金夫人を「株価操作犯」と決め付けて政治攻勢を繰り広げた。尹政権が発足すると、株価操作疑惑を掲げて「金建希特別検察官(特検)法案」を3回も発議した。最終的に李在明(イ・ジェミョン)政権が特検を設置し、ほぼ6年を経て株価操作事件を起訴したが、一審で無罪になった。

 尹・前大統領と韓東勲(ハン・ドンフン)元代表の対立も、株価操作疑惑を骨幹とする金建希特検法案のせいだった。尹・前大統領は、金建希特検を総選挙後に実施しようという国民世論が半数を超えたにもかかわらず拒否し、総選挙での惨敗を招いた。株価操作を捜査してきたソウル中央地検首脳部も全員交代させた。こうして自ら国民的疑惑を大きくして、民主党の攻勢を招いた。しかも、戒厳で自爆した。

 株価操作事件は控訴審・上告審が残っており、裁判所の判断が変わることもあり得る。しかし一審無罪は、尹・前大統領が大局的な見地から金建希特検を受け入れていたらどういう結果になっただろうか―という慨嘆を生む。そうすることなく一貫して非常識的な対応を行い、没落した。

 裁判長はこの日、金夫人が旧統一教会からシャネルのバッグや高価なネックレスを受け取った事件については有罪を認め、懲役1年8月を言い渡した。金夫人に「自身の地位を営利追求の手段として誤用した」「高価なぜいたく品で自身を飾ることにいそしんだ」と判示した。大統領夫妻の同時勾留と実刑言い渡しは、韓国憲政史上初めてだ。実に恥ずべきことだ。

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