米ワシントンの外交安全保障シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は2日、中国が西海暫定措置水域(PMZ)に一方的に設置した2基の深海養殖場(構造物)「深藍1号・2号」について「今も同海域で稼働中」と明らかにした。先月の韓中首脳会談で中国側が移動を約束した管理用プラットフォーム「アトランティック・アムステルダム」はPMZから移動し、1月31日に250キロ離れた威海造船所に到着したことが衛星写真で確認されたという。しかしCSISは「PMZの構造物に対する中国政府の公式の立場に変わりはなく、今も稼働している2カ所の養殖施設への疑念は全く解消されていない」と指摘した。
【写真】中国側が韓中暫定水域外へ移設した管理用プラットフォーム
中国が石油掘削船を改造して建造したこれら構造物はヘリの発着も可能で、将来的に軍事目的に転用されるとの懸念が高まっている。中国外交部(省に相当)は先日えい航作業の開始を正式に認めたが、それは外交的な理由や韓国の要求を受けての対応ではなく、あくまで「経営上の必要に伴う企業側の自発的な決定」としている。今後西海で境界線を巡る対立が表面化した場合、今回の撤収が中国にとって不利になる恐れがあることから、政府の判断ではないことを明確にするための説明とみられる。
また中国は西海構造物について「国際法上問題はない」と主張してきたが、米国政府とその周辺では「東シナ海、南シナ海、台湾海峡などに続き西海に対しても中国は『内海化』を狙っている」との見方が支配的だ。CSISは「韓国政府は中国による今回の動きを歓迎しているが、西海構造物に対する中国の公式の立場に変わりはない」と警戒感を示した。
青瓦台(韓国大統領府)は李在明(イ・ジェミョン)大統領の訪中後に中国が構造物の一部を移動させたことについて「意味のある進展であり歓迎する」とコメントした。しかしCSISは「今回の構造物移動作業は韓国にとっての当面の懸念を解消した」としながらも「PMZで今も稼働中の2基の養殖施設『深藍1号・2号』への疑念は今も残っている」と指摘した。深藍1号は30万匹のサケを同時に養殖でき、2号は国営企業が株を保有しているが、これらで養殖されたサケは実際に商品化されているため、今後も撤去に応じない可能性が高い。CSISのビクター・チャ韓国部長は昨年12月「2018年以降、中国はPMZとその周辺に13基のブイ、2カ所の養殖施設、これらを管理するプラットフォームを事前協議なしに設置した」「米国は中国による『漸進的な主権拡張』をインド太平洋を狙った新たなグレーゾーン戦略と見なすべきだ」と指摘した。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員