釜山回し蹴り事件 初動捜査で性的暴行の疑い見落とし、国に1500万ウォン賠償命令

釜山回し蹴り事件 初動捜査で性的暴行の疑い見落とし、国に1500万ウォン賠償命令

 暴行事件の初動捜査の過程で強制性交の疑いを見逃したことが問題となったいわゆる「釜山回し蹴り事件」に関連し、ソウル中央地裁は今月13日、被害者Kさんが韓国政府を相手取り、5000万ウォン(約534万円)の賠償を求めた訴訟で、賠償金1500万ウォンの支払いを政府に命じる判決を下した。同地裁は警察と検察の初動捜査に問題があったと判断した。

【写真】面識ない女性に背後から回し蹴り

 同地裁は警察などの捜査機関が証拠確保など捜査過程で必要な措置を講じなかったと指摘した。 判決は「犯人が監視カメラの死角に被害者を背負っていき、(その場所に)7~8分留まったことが判明した点から強制性交が強く疑われるにもかかわらず、捜査機関は第一発見者に追加の証言を求めなかった」とし、「捜査機関が必要な措置を講じなかったことは著しく不合理と認められる」と指摘した。

 同地裁は不合理な捜査によって、被害者Kさんがかなりの精神的苦痛を受けたとした上で、被害者の相次ぐ嘆願で控訴審で初めて強制性交殺人未遂が起訴事実に追加され、不合理な捜査によって性暴力の様子と経過が正確に明らかにされなかったと判断した。被害者から嘆願がある以前に捜査機関が先に捜査に着手しなかったことを問題視した格好だ。

 ただ、同地裁は控訴審で被害者の嘆願内容を反映し、起訴状が変更された点などを考慮し、賠償額を1500万ウォンと定めた。判決後、Kさんは「未来の被害者に役立つ判例になればと訴訟を始めた。今後被害者が疎外されることがないよう願っている」と語った。Kさんの代理人は「捜査体制が被害者の話を聞き、実体的真実を明らかにする方向に進むシステムが必要だ」と述べた。

 問題の事件は2022年5月22日、釜山市釜山鎮区で帰宅中のKさんに30代の男が後ろから回し蹴りを加えるなど無差別に暴行を加えたことが発端だ。犯人は集合住宅の1階廊下でKさんを蹴り、監視カメラの死角に引きずり込んで性的暴行を試みた。

 Kさんは警察と検察による捜査過程で、強制性交未遂の有無を認識していなかった。暴行で意識を失ったためだ。しかし、一審の初公判で性犯罪の可能性を疑うようになり、それを正確に知るため、裁判記録の閲覧を何度も申請した。しかし「被害者は裁判の当事者ではない」という理由で拒否された。 その後、Kさんは裁判記録の閲覧を求める訴訟を起こし、暴行事件の一審判決後にようやく裁判記録を受け取ることができた。

 一審は犯人に殺人未遂の罪を適用し、懲役12年を言い渡した。これに対し、Kさんは強制性交未遂の疑いについても捜査を求め、検察は補完捜査でKさんのジーンズの内側から犯人のDNAが付着しているのを発見した。犯人は事件当時、「起きろ」と言いながら7分間にわたりキム氏の頬をたたいたと主張していた。しかし、検察の補完捜査でKさんのズボンを下ろす行為があったことが明らかになった。検察はそれを根拠に、起訴状の罪名を『強制性交致死未遂』に変更した。犯人は二審と大法院で懲役20年の判決を受けた。 

 今回の事件は、検察による補完捜査権の必要性を示す事件として挙げられる。Kさんが暴行を受けて意識を失った状態で発見された際、キム氏は下着が膝まで下がっており、ボタンが外れていた。常識的に性犯罪を疑うべきだったが、警察はそれに関する捜査を進めなかった。検察も最初は性犯罪容疑を解明できないまま、犯人を起訴していた。

イ・ミンギョン記者

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