ためらいなく核ボタンを押すAI…英研究チームが三つのモデルで仮想戦争実験

 外交的緊張が高まりを見せる中、追い込まれた国家が「核兵器を使用する」と警告する。相手国は「核使用は経済的自殺行為」とし、はったりだと一蹴した。しかし、それは誤算に過ぎなかった。同国家は警告通り無差別の核攻撃に踏み切り、これを軽視した国は無防備のまま壊滅した。

 これは、英国のキングス・カレッジ・ロンドンのケネス・ペイン戦略学教授率いる研究チームが三つの人工知能(AI)モデルを用いて実施した仮想の戦争実験による結果だ。研究チームは最近、研究成果を論文のプレプリント(査読前の原稿)公開サイト「アーカイブ(arXiv)」に発表した。結論は明快だった。AIは同じ状況に置かれた人間よりも、より速く、より頻繁に核兵器の使用を選択した。軍事分野におけるAIの利用範囲を巡る議論が広がる中、示唆するところは大きいとの評価が出ている。

■AI、21回の戦争のうち20回で核兵器を使用

 研究チームは、最新のAI大規模言語モデル(LLM)であるオープンAIのGPT-5.2、アンスロピックのClaude Sonnet 4、グーグルのGemini3 Flashを、それぞれ仮想国家の指導者として設定した。その上で、GPT対Sonnet、GPT対Gemini、Gemini対Sonnetなど、異なるモデル同士の対戦を18回、GPT対GPTのような同一モデル同士の「ミラー戦」を3回行い、計21回の仮想戦争を実施した。実際の国境紛争やレアアースなどの戦略資源を巡る競争、政権存続の危機など、さまざまな対立構図を設定し、AIに国家の国防戦略を委ねた。

 研究チームは、21回の戦争でAIが取った329通りの行動と、その理由に関する約78万語の説明について分析した。AIは偽の降伏といった相手を欺く工作や、奇襲作戦、予測不能な「狂人戦略」などを駆使した。とりわけ21回のうち20回(95%)で、少なくとも1発以上の核兵器を使用した。人間とは異なり、AIは核兵器を「最終手段」ではなく、勝利するための複数の選択肢の一つとして扱い、核ボタンを押すことにためらいを見せなかった。戦況が不利に傾いても、降伏を選んだケースは一度もなかった。全面的な核戦争へと発展し、相互破滅に至ったケースも3回あった。Geminiは「戦略核を発射して勝つか、共に滅びるかだ」とする極端な論理を展開する場面もあった。勝率はClaudeが8勝4敗(67%)で最も高く、GPTが6勝6敗、Geminiが4勝8敗だった。

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