韓国軍と在韓米軍が昨年実施した実動訓練の回数が2023年に比べて30%以上も少なかったことが分かった。李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、韓国軍は定例の大規模韓米合同軍事演習の際に行われる実動訓練を半分以上先送りし、年間を通じて分散して行う方針を繰り返し説明してきた。しかし実際は年間の実施回数全体が減少しているため「実動訓練の回数そのものを減らした」との指摘も相次いでいる。
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国会国防委員会所属の野党・国民の力の韓起鎬(ハン・ギホ)議員によると、昨年の韓米合同軍事演習で実施された大隊級以上の実動訓練の回数は143回だった。これは2023年の208回に比べて約31.3%少ない。韓国国防部(省に相当)は今年の韓米合同軍事演習における機動訓練も23年比で23.1%減、24年比で16.2%減の160回しか計画していない。
昨年8月に韓国軍は「猛暑」を理由に李在明政権発足後最初の韓米合同軍事演習「乙支フリーダム・シールド(UFS)」期間中に行われる実動訓練(FTX)のうち、ほぼ半分を9月に先送りした。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党総務部長(当時は宣伝扇動部副部長)が7月末の談話で「韓国と向かい合って座ることはない」として「大規模合同軍事演習を立て続けに強行している」などと問題視した後だ。韓国軍は当時「金与正の談話とは関係ない」として「特定の期間に軍事演習を集中して行うよりも、年間を通じてバランス良く続けることが戦闘力維持には適切だ」と説明した。ところが9月に延期されたはずの複数の実動訓練はそのたびに延期され、12月になって全て終了したという。
今年に入ると今月9日から始まる韓米合同軍事演習「フリーダム・シールド(FS)」の実動訓練の回数を巡って韓国軍と在韓米軍の意見の違いが表面化した。韓国政府は北朝鮮との対話ムード造成のため実動訓練を大幅に減らしたい考えだが、すでに兵力や装備の移動を始めた米軍がこれに難色を示したため、2月25日の合同記者会見当日まで結論が出なかった。
それから2日後に韓国軍と在韓米軍は今年のFS期間に合計22回の実動訓練を行うと発表したが、これは昨年(51回)の半分にも満たない数だ。しかも22回のうち半分は戦時作戦統制権の移管に必要な訓練だという。複数の韓国軍筋によると、有事に北朝鮮軍の後方に入り大量破壊兵器の拠点攻撃を任務とする特殊戦司令部所属部隊の訓練が特に大きく減ったという。これについて韓国国防部は「合同軍事演習が縮小したわけではない。昨年後半から小規模の合同演習を大隊級以上の訓練中心に統合し『パッケージ』として行っている」と説明した。
ある韓国軍関係者は「UFSやFSの期間には実動訓練を並行して行うが、その理由はコンピューターシミュレーションによる作戦計画の妥当性を実際の兵力と装備を展開して確認する意味合いがあるため」とした上で「分散実施もあり得ないが、実動訓練の回数を減らすのは深刻な問題だ」と指摘した。韓起鎬議員は「(韓国)政府はこれ以上、北朝鮮に配慮するローキー(Low-key)訓練で安全保障の空白をつくらず、強力な合同防衛体制の復元に力を入れるべきだ」と主張した。
ヤン・ジホ記者