【ワシントン聯合ニュース】米財務省の外国資産管理局(OFAC)は12日(米東部時間)に発表した報道資料で、北朝鮮と関係のあるIT技術者の身分を偽って米国や同盟国の企業に就職させる組織的詐欺を行ったとして、個人6人と北朝鮮のIT企業「鴨緑江技術開発会社」など2機関を制裁対象に追加すると明らかにした。
OFACは、北朝鮮政府が労働者らが稼いだ賃金の相当部分を搾取しており、2024年だけで8億ドル(約1270億円)の資金を確保したと判断した。
北朝鮮当局はこうして調達した資金を大量破壊兵器(WMD)や弾道ミサイルの開発に投入しているとされ、北朝鮮関係者が企業のネットワークにマルウエア(悪意あるソフト)を仕込んで機密情報を盗むこともあるという。
財務省の今回の対北朝鮮制裁は、トランプ米大統領が今月末に中国を訪問するのに合わせて金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)に会う可能性があるとの見方が出ているなかで発表され、注目を集めている。
OFACの制裁対象に指定された場合、米国内の資産凍結や入国禁止に加え、民事・刑事処罰を受ける可能性があるが、実質的な被害は小さく、象徴的措置という側面が大きい。
ただ、北朝鮮が米国の制裁を対北敵視政策とみなして解除を求めているなか、米朝首脳会談の可能性も浮上しているタイミングで米財務省が追加制裁に踏み切る背景に関心が集中している。
米朝首脳会談の開催が実現するかは不透明だが、トランプ氏が19年6月に訪韓した際には南北軍事境界線にある板門店で金正恩氏と電撃的に会談した。