【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題に関する2015年12月の韓日合意に基づいて韓国で設立された「和解・癒やし財団」が、被害者の遺族に対し日本政府の拠出金で賠償金1億ウォン(約1070万円)を支払うよう命じたソウル中央地裁の決定を不服とし、異議申し立てをしていたことが13日、分かった。
同財団の上級機関で慰安婦問題を担当する性平等家族部や法曹関係者などによると、財団は今月3日に異議を申し立てた。
同部の関係者は異議申し立ての理由について「財団は日本に代わって原告の債権を保全する必要はない。債権者代位権が成立しないとみている」と説明した。
同財団は15年の韓日合意に基づいて日本側が10億円を拠出し、両国が慰安婦被害者と遺族を支援する事業を行う目的で16年7月に設立され、当時の女性家族部(現・性平等家族部)の傘下に置かれた。
だが、17年に発足した文在寅(ムン・ジェイン)政権が合意を再検討し、日本側の拠出金を政府の予算に置き換えることを決定。18年11月に女性家族部が財団の解散を発表し、発足から2年4カ月で解散手続きに入った。
財団が韓日合意当時に生存していた被害者47人中35人、死亡した被害者側199人中65人に治癒金の名目で支払った46億ウォンと運営費10億ウォンを除く残金は約61億ウォン。財団が解散してから約7年4カ月がすぎたが、残金の処理方法を巡る意見の相違などで政府が財団の清算問題を解決できず、財団の残余財産は61億ウォンとなっている。
原告は被害者遺族で、24年に日本政府を相手取り損害賠償を求める訴訟を清州地裁に起こし、昨年勝訴した。地裁は日本政府に1億ウォンを支払うよう命じる判決を言い渡した。
この遺族は政府が韓日合意を覆して同財団の解散を決定したため、日本が拠出金に対する返還請求権を持っており、財団の残余財産は日本の財産だと主張し、賠償金1億ウォンの支給を受けるため同財団を相手取り訴訟を起こした。