非核化より「平和共存」優先に 韓国政府が南北関係基本計画を転換

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は19日、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の主宰で南北関係発展委員会を開催し、「第5次南北関係発展基本計画案」を審議した。

 南北関係発展基本計画案は「南北関係発展に関する法律」に基づき5年ごとに策定されるが、政府は尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権で策定された第4次基本計画(2023~27年)を廃止し、新たな基本計画案を作成した。

 この日の委員会に提出された基本計画案は「朝鮮半島の平和共存と共同成長」をビジョンに掲げ、3大目標と3大推進原則、6大重点推進課題を盛り込んだ。

 3年前の第4次基本計画のビジョンが「非核化」を優先したのに対し、第5次基本計画では李在明(イ・ジェミョン)政権の平和共存政策を前面に押し出した。

 第5次基本計画案は▼南北間の平和共存の制度化▼朝鮮半島の共同成長基盤構築▼戦争と核のない朝鮮半島の実現――を目標とし、李大統領が日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」(昨年8月15日)と日本による植民地支配に抵抗して1919年に起きた独立運動の記念日「三・一節」(今年3月1日)の演説で強調した北朝鮮の体制尊重、吸収統一の否定、敵対行為の中止を推進原則とした。

 また、目標実現のための重点推進課題としては▼和解・協力による南北関係の再構築と平和共存の制度化▼北朝鮮核問題の解決と朝鮮半島平和体制進展の追求▼国民が共感する互恵的な南北交流協力の推進▼分断による苦痛の解消と人道問題の解決▼朝鮮半島の平和経済と共同成長の未来に向けた準備▼平和・統一への共感を促す国民参加と国際協力の活性化――を提示した。

 「原則と相互主義に基づく南北関係」「自由民主的な統一基盤」「北の人権問題の解決」などを強調した第4次基本計画とは、方向性と優先順位が大きく変化した。

 鄭氏はこの日の会議で「われわれの目標は平和そのものだ。平和共存を手段として相手をどうこうしようということは、われわれの政策の中には最初から存在しない」と述べ、吸収統一を推進しないという原則を改めて強調した。また、南北関係の長期的な断絶は尹前政権の責任だとして、李在明政権の平和共存政策は中東の紛争が朝鮮半島に波及するのを防ぐ安全弁の役割を果たしていると力説した。

 統一部はこの日の会議で議論された内容を反映し、次官会議・閣議を経て第5次南北関係発展基本計画を確定。国会に報告した後に国民に公開する予定だ。

 今回の南北関係発展基本計画は、北朝鮮が南北を「敵対的な二つの国家」と宣言してから初めて策定されるもので、北朝鮮の基調を「統一を志向する平和な二つの国家」へと転換させるという方向性に沿って草案が作成された。統一部は、南北統一を志向しながら平和共存関係を再構築するという方針の下で基本計画案を作成したと説明した。ただ、鄭氏が統一部の立場として示した「平和的な二つの国家関係」という表現は、基本計画に明示的に反映されてはいないと明らかにした。

 統一部の当局者は17日、記者団に対し「第5次南北関係発展基本計画は国民主権政府の国政哲学に合わせ、国民参加の拡大と制度化に重点を置いているのが特徴」とし、これを制度的に支えるために「平和統一基盤の造成に関する法律」と「平和・統一に向けた社会的対話の活性化および支援に関する法律」の制定を推進する計画だと述べた。        

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