韓国最高裁「強制動員被害者による訴訟は阻止できない」…日本企業の上告棄却、一審差し戻し

 韓国大法院(最高裁判所に相当)は26日、日帝強制動員被害者と遺族が三菱重工業など日本企業に対して損害賠償を求めた裁判で「1965年の韓日請求権協定により訴訟はできないと判断した一審は間違い」との判断を下した。事件は再び一審に差し戻されることになった。

 大法院1部(盧泰嶽〈ノ・テアク〉主審)は日帝強制徴用被害者と遺族19人が三菱重工業など日本企業7社に対して損害賠償を求める訴えを起こした裁判で、日本企業の上告を棄却し、原審に基づき事件をソウル中央地裁に差し戻した。

【写真】涙を流す強制徴用被害者のイ・チュンシクさん(2018年)

 日帝強制動員被害者と遺族は2015年、三菱重工業などを相手取り、未払い賃金と不法行為に伴う慰謝料など損害賠償を求める訴えを起こした。原告らは日帝強占期に強制動員され、炭鉱や軍需基地などで強制労役をさせられた被害者やその遺族たちだ。

 これに対して三菱重工業などは「1965年に発効した韓日請求権協定により原告の請求権行使自体が制限される」と主張した。日本企業各社はこれまで賠償責任について確認する以前に「韓国の裁判所に裁判権はない」「請求権協定により終わった事案であり訴訟自体が成立しない」として裁判はできないと主張してきた。

 一審のソウル中央地裁は2021年、日本企業の主張を認め、訴えを却下する判決を下した。当時裁判長は「1965年の韓日請求権協定に基づき、訴訟による権利の行使は制限される」として強制徴用被害者は日本企業などとの訴訟で争うことはできないとの判断を下した。「韓日請求権協定により損害賠償請求権は消滅していない」とする2018年の大法院全員合議体の判断により原告らに権利が残っているとしても、実際に訴訟を起こし、勝訴して日本企業の資産を強制的に差し押さえる行動そのものが法的権利の乱用という趣旨に解釈された。

 これに対して二審は、一審の判断は間違っているとの判断を下し、事件はソウル中央地裁に差し戻された。裁判長は「一審判決に問題がある」「原告の訴えは適法」と判断した。

 すると今度は日本企業側が上告したが、大法院は上告を棄却した。大法院は強制動員被害者に対する日本企業の賠償責任を認めた2018年の全員合議体判決などに基づき、一審がいわゆる適法性に関する法理を誤解したとの判断を下した。18年当時の大法院では判事の多くが「日本企業による反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者による日本企業に対する慰謝料請求は請求権協定の適用対象に含まれない」と判断した。今回の判決で損害賠償請求訴訟はソウル中央地裁で改めて始まる予定だ。

イ・ミンギョン記者

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  • ▲ソウル市瑞草区の大法院(最高裁判所に相当)2018年6月17日撮影。/news1 パク・セヨン記者

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