【NEWSIS】米国のトランプ政権による厳しい制裁にも関わらず、イランは毎月数十億ドル(数千億円)の収入を原油輸出で確保し戦争を継続しているが、その背後に中国からの組織的な支援があることが分かった。
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米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が6日(現地時間)に報じた。それによると中国は米国の制裁が厳しくなるほど逆にイラン産原油の輸入を大幅に増やしており、現在イランの輸出量の80%以上を事実上独占しているという。10年前にイランの原油輸出全体の30%にとどまっていた中国向けの割合はトランプ政権の圧力が厳しくなってから逆に2倍以上に急増した。ホルムズ海峡のタンカー通航量や原油・LNG輸出データを追跡・分析している調査会社のケプラーは、中国は2025年にイランから1日平均140万バレル(約22万キロリットル)の原油を買い取っていたと試算している。これはトランプ大統領による最大の圧力作戦が始まる前の65万バレル(約10万キロリットル、2017年)に比べて2倍以上の量だ。
中国は米国の金融制裁から逃れるため緻密な迂回(うかい)ルートを構築している。米国の金融機関などと取引が多く制裁に弱い国営石油会社ではなく、「ティーポット」と呼ばれる独立系製油所を使いイラン産原油を買い取っているのだ。決済は世界の金融システムとのつながりが浅いクンルン銀行など小規模な銀行を通じ人民元で決済することで追跡から逃れている。クンルン銀行は2012年からすでに米国の制裁対象となっているが、これによって逆にイランとの取引専用窓口としてその役割が大きくなっている。
物流の側面でも「影の船団」による組織的な隠蔽(いんぺい)作戦が行われている。船舶の名称を随時変更、あるいは位置追跡装置を切り、公海上で原油を積み替えるなどの手口で原産地をロンダリングしている。香港などに設立された数十のペーパーカンパニーはこのような手口で人民元をドルやユーロに交換し、イランが全世界で資金を使えるよう支援した。ワシントンのシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)のマックス・メイズリッシュ・リサーチフェローは「中国による数年にわたる支援がなければ、イランはこの戦争を続ける能力はなかったはずだ」と分析している。
米国はイランの資金源を断ち切るため関係する個人を起訴し、制裁の範囲を広げているが、中国への直接の制裁には限界がある。中国に対して全面的に制裁を加えた場合、国際原油価格がさらに高騰し米中関係が破綻しかねない現実的な懸念があるためだ。中国外交部(省に相当)は「不法で不合理な一方的制裁には反対する」として「エネルギー安全保障のための正当な取引だ」と一貫して主張している。
このような中国の支援もあってイランはホルムズ海峡を封鎖し、西側への原油供給に圧力を加えながらも、自国の原油は中国に向け安全に運搬する二重の戦術を駆使している。その一方でイラン国内の工場閉鎖や物価上昇で庶民の苦しみは続いているが、中国から流入する数十億ドルの資金はイラン政権が持ちこたえる最後の支えとなっているとWSJは報じた。
パク・ヨンファン記者