大韓航空が、創立以来57年にわたって続けてきた「客室乗務員(CA)のヒール着用」原則を変更することが分かった。CAがより快適に働けるよう、スニーカーの着用を認める方向で制度を改正するというわけだ。もし確定すれば、年末に統合が予定されているアシアナ航空にも同様のルールが適用される。CAの数だけで計1万人前後に上る韓国第1位と2位の大手航空会社が靴の改革に乗り出すことで、業界全体のムードも変わるのではないかとの見通しも出ている。
航空業界が21日に明らかにしたところによると、大韓航空は労使の協議を通じ、CAが機内で業務に当たる際にスニーカーや機能性シューズを履けるよう、服装規定の改正を検討中だという。これまで大韓航空のCAは機内で3-5センチヒールのパンプスを履くことが義務付けられていた。大韓航空の関係者は「労使の協議を通じ、制度を確定させる予定」と話した。
航空業界で、CAの靴は単なる履き物以上の意味があった。航空各社はCAの容姿や服装をブランドイメージや規律と同一視してきた。2000年代初めまで、パンツスタイルの制服も許されておらず、職場文化が非常に保守的だった。その中で靴は妥協できない最後のとりでだった。大韓航空ではCAの眼鏡着用がようやく認められたが、これも今年2月になってからのことだ。
大韓航空が「タブー」に切り込んだのは、実務現場からの声が大きかった。長距離路線を飛行する際、10時間以上狭い機内の通路を行ったり来たりするCAにとって、靴は慢性疲労や筋骨格系障害(MSDs)の主犯とされていた。大韓航空の関係者は「CAの身体的疲労が累積すると、最終的に非常事態への対応力の低下につながる」として「スタッフが快適に働けてこそ、機内の安全とサービスの質も向上するというのが会社側の判断」と説明した。
一部の格安航空会社(LCC)などで靴着用のルールが変わり始めたことも影響を与えたとみられる。今年2月にはチェジュ航空が制度を変更して全てのCAにスニーカーを支給。エアロK航空は2020年の創業時から、スニーカーを正式の勤務シューズとして採択している。イースター航空(Eastar Jet)も黒系で統一性があればパンプスではないシューズも着用可能とした。昨年9月に設立された韓国LCCのパラタ航空は最近、機能性シューズブランド「ロックポート」の製品をCAに着用させた。機内用のパンプスを支給しているアシアナ航空も、昨年10月にCAが好きなシューズを選べるよう、機能性ブランド「バイネル(VAINER)」を含め、選択できるシューズブランドを4種類から7種類に増やした。
海外でも「CAのハイヒール」は姿を消しつつある。日本航空(JAL)は昨年、CAと地上職1万4000人にスニーカーの着用を認め、中国のエア・トラベルはハイヒール規定を廃止し、「フラットシューズが非常時脱出などの安全性を飛躍的に高める」と明記した。
航空業界の内外では長い間、CAの服装や容姿に関する厳格で硬いルールが論争の的になっていた。現在でも毛髪の長さやアクセサリー着用に関する詳細な基準がある。しかし、航空会社に若い職員が増え、新興LCCも登場していることから「機内の業務に関係のない要素については個人の自由にすべき」との意見も広がっている。
ハン・イェナ記者