節約しているのにかっこいい…韓国Z世代が夢中の「フリューガル・シック」とは

 最近成果報酬を受け取った40代のファッション会社役員A氏は、買い物をすることに胸を躍らせている。彼は20代の頃から給料を貯めて高級バッグを一つ買うことが楽しみだった。大学生だった2000年代初頭には、村上隆とコラボしたルイ・ヴィトンのバッグを手に入れるために家庭教師をしていた。また、2010年代中盤にはグッチのアイテムを代理店ができるほど所有していた。

【写真】「フリューガル・シック」ミア・マクグラス

 20代の社員B氏が同僚とエルメスのことをたびたび話していたことを覚えていたA氏が、B氏に質問した。「最近、エルメスのバッグがZ世代の間で流行っているの?」。B氏は答えた。「いいえ。私がエルメスのバッグを買うお金がどこにあるんですか。スタートアップ企業が開発したAIエージェント『Hermes(エルメス)』の話です」

B氏もトレンドに関心が高い。毎日ソーシャルメディアの「TikTok」や「Pinterest」を見て、流行に遅れないように努力している。しかし、彼が見ているのはこのようなものだ。「どんなエコバッグやタンブラーが流行っているのだろうか」。週末になると、友達とヴィンテージショップ巡りをして服を買う。

 彼の口座は余裕があるわけではない。毎月NetflixやChatGPT、Claudeなどのサブスクの支払いだけでも数十万ウォン(数万円)だ。彼は通帳を見ながら決意した。「成果報酬をもらったら、AI株をちょっと買わなきゃ!」

韓国の若年層の間で「フリューガル・シック(Frugal Chic・節約+洗練)」文化が急速に広がっている。フリューガル・シックは、TikTokで活動する英国の金融インフルエンサー、ミア・マクグラスが作った用語だ。中国で生まれイギリスに養子縁組された彼女は、学費ローンを返済するために節約を習慣化して、モデルとしても活動。24歳で10万ポンド(約2,000万円)を貯めた。Z世代を魅了する「フリューガル・シック」とは何だろうか。

■過度な消費は時代遅れだ  

 高インフレの時代、金銭を節約することは選択ではなく必須だ。でも、ただ大切にするだけでは古臭い。部屋一つを埋め尽くす服たち、今のZ世代はこれがかっこいいとは思っていない。最近流行っているのは「カプセルワードローブ」だ。必ず着用すべきアイテムとして、約18種類だけをそろえることになる。

高級品も同様だ。流行に乗って借金してカードで買うのは時代遅れだ。一つ欲しいなら一生使えるものを買う。これは、近年米国を中心に流行しているジョン・F・ケネディ・ジュニアの妻、キャロリン・ベセット=ケネディのファッションとも合致している。

 その結果、ラグジュアリー業界の売上成長率は低迷している。不況にも揺るがなかったエルメスは、今年第1四半期の売上高が40億7,000万ユーロを記録した。前年同期比で5.6%増加したものの、市場コンセンサス(7.1%増)には及ばず、前四半期(9.8%増)と比較しても伸び悩みが顕著だった。年初以降、エルメスの株価は22%下落した状態だ。年初以降株価が26%下落したLVMHも、状況は決して楽観できない。米投資銀行ジェフリーズは、ファッションマージンの縮小や為替の影響などを考慮し、同社の目標株価をさらに引き下げた。クリスチャン・ディオール(マイナス25%)、ケリング・グループ(グッチ等マイナス22%)、バーバリー(マイナス11%)なども、今年初め以降すべて株価が低迷している。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲イラスト=キム・ヨンソク
  • 節約しているのにかっこいい…韓国Z世代が夢中の「フリューガル・シック」とは

right

あわせて読みたい