「イスラエル、2024年からイラク国内に秘密基地を設営」 イラク当局は知らなかった

食料品を買いに出かけた羊飼いが目撃
NYT紙「米・イラン間に挟まれたイラク…自国領への統制権を行使できていない状況を示す」

「イスラエル、2024年からイラク国内に秘密基地を設営」 イラク当局は知らなかった

 イスラエルが2024年から、イランと隣接するイラクの領内に秘密の前進基地を設営していたという。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙がイラク政府の報告書を引用して17日(現地時間)に報じた。イスラエルは昨年6月と今年2月に、イランに対する軍事作戦を行い、自国から1600キロ離れたテヘランの戦争指導部などを数千回にわたって空襲した。NYTは「イスラエルがあれほど遠く離れた敵をどのように空襲できたのか、パズルが完成した」と伝えた。

 報道によると、イスラエル軍は2024年末からイラク西部の砂漠に位置する「アル・ヌカイブ」集落近くに、空中支援・給油・医療などの機能を備えた基地を建設した。イスラエルから750キロ離れた場所に基地を建設し、テヘランまでの飛行距離を半分に減らしたのだ。

 この基地の存在は今年3月、ベドウィン族の羊飼いが食料品を買いに行ったとき、砂漠の真ん中にある滑走路と、その一帯に密集する兵士やテント、ヘリを偶然目撃したことで発覚した。羊飼いはイラク軍当局にこれを通報した後、家に戻る際、ヘリの空襲に遭って死亡した。イラク軍は翌日、捜索のために兵力を派遣したが、やはり空襲に遭って兵士1人が死亡、2人がけがをした。

 イラク軍は当初、この基地について米軍が設営したものだと判断していた。イラク軍参謀総長が米統合参謀本部議長に直接電話をかけて基地の正体について尋ねると、米軍側は「われわれの兵力ではない」と回答したという。これを受けてイラク軍は、問題の基地はイスラエルのものだということに気付いた。イラク軍は「外国勢力の無謀な攻撃」だという声明を出し、国連安全保障理事会に公式の抗議も提出した。

 このような基地は一つだけではないという。イラク軍は「われわれの領土にイスラエルが少なくとも一つ以上の前進基地を設置した」と議会に報告した。ある匿名のイラク当局者も、西部砂漠にイスラエルの2番目の基地がある、と明かした。イラク西部の広い砂漠は人口密度が極めて低く、秘密基地の設置に適した場所だ。かつて米特殊部隊やテロ組織「イスラム国(IS)」なども、この地域に同様の基地を建設したことがある。

 NYTは「ワシントン・テヘラン間の力比べに長年挟まれてきたイラクが、自国領に対する完全な統制権を行使できていない状況を示すもの」と伝えた。2003年のサダム・フセイン政権崩壊後、米国とイラクは限定的な協力関係を維持している。米国はイスラエルの秘密基地建設を事前に知っても、これをイラクに通知すべき公式協定上の義務を履行しなかった、とNYTは指摘した。敵対国イスラエルがイラク領内に軍事基地を建設したにもかかわらず、当のイラクは米国に「パッシング」される境遇に置かれた―との評だ。米国は昨年のイラン攻撃後、自国の航空機を保護するためにイラクに対してレーダーの稼働を止めるよう強要しており、イスラエルの基地を発見するのはいっそう困難だった、と伝えられている。

パリ=元先宇(ウォン・ソンウ)特派員

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