光州民主化運動(1980年5月18日の光州事件)を嘲弄(ちょうろう)しているように受け止められるタンブラー・シリーズのキャンペーン・イベント「タンク(戦車)デー」を開催して物議を醸したスターバックス・コリアが、貨客船セウォル号沈没事故から10年だった2024年に「セイレーン(Siren)マグカップ」を発売したことについて、李在明(イ・ジェミョン)大統領は23日、「事故犠牲者たちをないがしろにする畜生のような所業」「悪質な商人の非道な行為だ」と批判した。
李在明大統領は同日夕、X(旧ツイッター)に与党・共に民主党の丁秦旭(チョン・ジンウク)議員の投稿を引用した上で、「どうか事実でないことを願う。(まがりなりにも)人間の皮をかぶっているなら、到底できることではない」と書いた。
スターバックス・コリアは2024年4月16日に「セイレーン・クラシック・マグカップ」を新シリーズとして発売すると発表した。セイレーンはギリシャ神話に登場する女性と鳥、または人魚のような形の怪物で、船を沈没させたり、魅力的な歌声で人間を破滅へと導いたりする存在とされている。スターバックスは1971年の創業当初から、「コーヒーで人々を魅了する」という意味でロゴに使用してきた。
これについて丁秦旭議員は「神話に出てくる、歌で船を沈没させるセイレーンをセウォル号事故が発生した日のイベントに使用した」と指摘した。インターネット・コミュニティー・サイトにも最近、「タンク・デー」騒動が広がるにつれ、「発売日がセウォル号沈没事故の日と重なったのも意図的なものではないか」と疑う書き込みが寄せられている。
だがその一方で、スターバックスのグッズ(企画商品)は年間を通じて発売されていることから、「過度な憶測だ」という反論も出ている。
李在明大統領は「追悼日を迎えて遺族が苦痛にもがき、国民たちが悲しみに沈んでいる時に、嘲弄の意味を隠した暗号のようなこうしたイベントを始め、犠牲者たちを侮辱し、国民を愚弄し、楽しんでいたのだろう」「『イルベ保管所(貯蔵所)』でもなく、大企業の公式イベントだというのに、もはや言うべき言葉もない」と述べた。「イルベ貯蔵所」とは、日刊ベスト貯蔵所の略で、極右傾向がある韓国の電子掲示板だ。
その上で、「こうしたことを結びつけてみると、5月18日に合わせた今回の『タンク・デー』イベントにより光州民主化運動と(1987年の学生運動家)朴鍾哲(パク・ジョンチョル)烈士拷問致死事件を嘲弄・侮辱したことは、偶発的な出来事とは見なしがたい」「常習的に国家暴力と惨事の犠牲者たちをないがしろにするこうした畜生のような所業には国民たちの審判が下されるだろう」と述べた。
キム・ドンハ記者