中国政府は人工知能(AI)で古典作品や歴史コンテンツを改変・歪曲(わいきょく)した動画に対する取り締まりを強化し、5月だけで8千件以上の動画を削除した。
中国国家ラジオ・テレビ総局は今月1日、主なオンライン動画プラットフォームでAIで改変された違法・不適切動画約8千件を削除し、20以上のアカウントに制裁処分を課した。中国中央テレビが2日に報じた。
今回の措置は中国政府が今年1月から実施している「AI改変映像特別取り締まりキャンペーン」の一環だ。当局は古典映画、ドラマ、アニメーションを改変・パロディー化したり、低俗な内容にしたコンテンツを重点的に取り締まってきた。
当局は2月から関連規制を常時化・制度化する管理体制に転換し、主なプラットフォームに対するモニタリングと審査を強化するよう指示した。
特に三国演義、西遊記、水滸伝、紅楼夢などを原作とした映像作品や歴史・革命を題材にした作品、英雄人物を扱うコンテンツをAIで改変し、原作の意味を損なっているケースを重点的な取り締まり対象とした。
原作の精神や登場人物の設定を過度に変更しているか、暴力や煽情(せんじょう)的表現を含むコンテンツ、中国文化の要素を勝手に変形させ、歴史認識を歪めるコンテンツも規制対象になる。
代表的な例として「紅楼夢」のヒロイン林黛玉を暴力的な格闘キャラクターとして描いたり、人気宮廷ドラマ「後宮・甄嬛伝(宮廷の諍い女)」の登場人物を現代の銃撃戦シーンに登場させたりするAI合成映像などが取り締まり対象に含まれた。
中国政府はそうした問題コンテンツが大衆の歴史・文化認識を歪め、オンライン環境を損なうとしている。今回の措置は、AI産業の育成は支援する一方で、党と国家が承認した歴史観や文化的エピソードから逸脱するコンテンツは厳しく規制するという中国式AI規制の方針を示す事例として評価されている。
イム・ソイン記者