米通商代表部(USTR)は11日(現地時間)、トランプ政権の関税政策を強く批判した現地メディアに正面から反論した。中国と韓国が同じ関税率となったことや政策の矛盾に対する指摘にUSTRのトップ自ら反論に乗り出した形だ。トランプ政権は同盟国を含む各国にさまざまな理由で無差別関税の適用を目指しているため、米国国内でもその妥当性に疑問の声が高まっている。
USTRのグリア代表は同日、USTRのホームページに反論の書簡を掲載し、ワシントン・ポスト(WP)編集局に対してトランプ大統領の貿易政策を強く擁護する考えを示した。まずWP紙は3日付の社説で、米ホワイトハウスが議会の承認を経ず関税を適用していることを強く批判した。WP紙は「(USTRの関税計画は)明らかに保護貿易主義の口実」とした上で「そうでなければ中国には日本、韓国、スイスと同じ関税は適用されなかっただろう」と指摘した。強制労働や人権問題が深刻な中国とそうではない韓国などに同じ処罰の物差しが適用される状況自体が「前後のつじつまが合わない」と鋭く批判したのだ。
これに対してグリア代表は同日付の書簡でこの社説に強く反論した。グリア代表は「ワシントン・ポストの編集局だけが現代の奴隷制度に自由放任的なアプローチを擁護する方法を探している」と批判した。メディアが指摘した疑問を「奴隷制度の擁護」とレッテルを貼り、これをトランプ大統領に対するメディア 業界内部の反感と見なしたようだ。グリア代表はさらに「トランプ大統領の下で米国は今後世界のサプライチェーンにおいて強制労働を容認しないだろう」とも指摘し、現行の関税政策を一層強化する意向をあらためて表明した。グリア代表は「米国企業はサプライチェーン浄化に巨額の費用を投じているが、他の国はこれを黙認している」との論理も同時に展開した。
USTRは5月2日、強制労働根絶対策が不十分との理由で60の経済圏に10-12.5%の関税を賦課する計画を発表した。それによると韓国、日本、中国を含む46の地域が最高で12.5%の関税対象として同時に名前が上がった。トランプ政権は1974年に制定された通商法301条に基づき、米国の輸入品全体の70%を占める16の国に対しダンピングの疑いで調査を進めている。5月1日にはブラジルに対して反ダンピング法未執行を理由に25%の関税をかける方針を明らかにした。それまで進めてきた国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税が連邦裁判所で違法との判決を受けたため、議会の承認が不要なあらゆる手段を動員しているようだ。
米国の政界やメディアなどからは「トランプ政権による強引な関税政策が今後も続けば、最終的に逆風に直面するだろう」といった警告の声も上がっている。WP紙によると、ホワイトハウス・スタッフの多くが「無差別関税は国の経済にとって頭痛の種になりかねない」とすでに認めているという。コーヒー、牛肉、ハイテク製品の製造に必要なレアアースなど重要品目が強制労働の関税免除対象に含まれたこともその代表的な事例だ。農業や産業用装備の関税率も25%から15%に突然引き下げられたが、これも関税の影響で農業関係者が苦境に立たされ、また消費者物価の上昇にもつながる現実を米国政府自ら認めたためと伝えられている。
ユ・ジンウ記者