韓国陸軍の次世代韓国製攻撃ヘリ「LAH1ミルオン」のエンジンに欠陥が見つかり、今年4月から飛行が全面停止されていることが分かった。韓国陸軍は1990年前後に配備して老朽化した「コブラ」ヘリおよそ60機を早期退役させ、これをミルオンで代替する予定だった。ミルオンの納品が遅延した場合、戦力の空白が長期化しかねない―という懸念が出ている。
防衛事業庁(防事庁)と韓国国会国防委員会などによると、ハンファ・エアロスペースが組み立てたミルオン用エンジン57基のうち47基で腐食が発見され、このうち38基ではエンジンに亀裂が発生していることも確認された。防事庁は今年4月に不良を確認した後、安全のため、陸軍に納品されたミルオン15機全てについて飛行停止措置を下した。
韓国政府の関係者は「エンジン内部の空気の流れを維持する『ディフューザー』という部品に異常が生じ、腐食や亀裂が発生したものとみられる」「エンジン組み立ての方法を任意に変更したことで問題が生じたとみられる」と語った。ミルオンのエンジンは、フランスのサフラン(Safran)社のエンジンをハンファ・エアロスペースが韓国国内で組み立てて納品してきた。この過程で、熱処理を行って組み立てるべき部分をゴムハンマーでたたいて無理に部品をはめ込み、不良が生じたと伝えられている。
ハンファ・エアロスペース側は「ディフューザーの部分だけを変える場合、短時間で修理が可能」という立場だ。しかし韓国軍の消息筋は「亀裂が生じたエンジンの場合、修理にどの程度時間がかかるか予想が難しい」「エンジンはデリケートな部分なので、小さな異常も出力低下やエンジンの作動停止につながりかねず、致命的」と述べた。防衛産業界の関係者は「元のメーカーの承認なしに作業手順を任意に変えるのは、安全意識が足りないことを示す事例」と指摘した。
ミルオンは、予算5兆7500億ウォン(現在のレートで約6100億円)を投じて2031年までにおよそ160機を実戦配備するのが目標だ。空対地ミサイル「天剣」などを搭載して敵の戦車を攻撃し、機関砲で空中強襲部隊を援護する役割などを務める計画だった。ところが今回のエンジン欠陥で納期を守ることができるかどうか懸念が生じている。
ヤン・ジホ記者