フランス・エビアンで開催されたG7(先進7カ国)首脳会議で採択された「重要鉱物サプライチェーン安定化文書」に対して李在明(イ・ジェミョン)大統領が署名を見送った。G7首脳会議で採択された8文書のうち韓国は「重要鉱物サプライチェーン安定化文書」にのみ署名しなかったが、それ以外の7文書には署名した。この文書は中国を名指しはしていないが、レアアースを事実上輸出規制している中国を念頭に置いているのは間違いない。署名したのはG7メンバーとオーストラリアで、署名しなかったのは韓国、ブラジル、インド、エジプト、ケニアだ。
青瓦台(韓国大統領府)は「宣言文に署名はしなかったが、G7が掲げる重要鉱物の共同備蓄やサプライチェーン全体の構築は支持する」としている。韓国は代替となる供給ラインを数多く開発しているので、他の国々とは状況が異なるとしているが、一方で中国を意識し署名に応じなかったとの見方も浮上している。
G7の「重要鉱物サプライチェーン安定化文書」は重要鉱物の生産と加工を特定の国に過度に依存せず、透明性とトレーサビリティー(追跡可能性)を備えた強固な供給網を構築することを掲げている。この文書について複数の外交関係者は中国を念頭に置いた「脱中国サプライチェーン構築のシグナル」との見方を示している。
韓国は2次電池や半導体などの重要産業で中国産の鉱物や素材への依存度が非常に高い。もしこの文書に全面的に参加した場合、中国の激しい反発や貿易分野での報復などで経済的に打撃を受けるのは避けられないと判断したようだ。青瓦台は今回の署名見送りについて「重要鉱物のサプライチェーン全体の構築というG7の努力は支持する」として慎重な見方を示したが、実際は中国との関係を意識した現実的な外交戦略との見方が支配的だ。
キム・テジュン記者