【ヘルス朝鮮】食品だけでなくにおいや温度変化、さらには自分のホルモンにも生命を脅かすほどの過敏反応を示す20代女性のケースが公開された。
【写真】肥満細胞活性化症候群(MCAS)の診断を受けたケイト・ヘーガンさん(22)
英国サマセットに住むケイト・ヘーガンさん(22)は、幼いころから原因不明の体調不良に悩まされてきた。聴力は正常の半分程度にとどまり、膀胱のコントロールが難しく、全身にあざができやすかった。その後、心臓が一時的に停止する反射性低酸素性発作の症状まで現れ、一日に20回以上倒れたこともある。
さまざまな検査を受けた末、ヘーガンさんは2022年に希少疾患である肥満細胞活性化症候群(MCAS)の診断を受けた。診断を受けるころから過敏に反応する物が徐々に増え、現在ヘーガンさんが口にできる食品はわずか25種類ほどに過ぎないという。ヘーガンさんは食品だけでなくにおい、温度変化、自分のホルモンにも予測困難な過敏反応を示すため、これをコントロールするために一日15種類の薬を服用している。
ヘーガンさんは特に、医療探知犬ケニーの助けによって何度も命を救われたと打ち明けた。ケニーはアナフィラキシーを発症するおよそ10分前に、不安な行動やほえることで危険を知らせてくれる。ヘーガンさんは「ケニーがいなかったら、わたしはすでに死んでいただろう」とした上で「できるだけ普通に生きようと努力しているが、毎食、毎瞬間が怖い」と語った。
◇肥満細胞が過度に活性化する希少疾患
肥満細胞活性化症候群は、免疫細胞である肥満細胞が正常な刺激なしに過度に活性化し、ヒスタミンやトリプターゼ、プロスタグランジンなどの炎症媒介物質を過剰に分泌する疾患だ。肥満細胞は皮膚や血管、消化器、呼吸器など全身の結合組織と血管の周辺に分布しているため、症状も複数の臓器に現れる。
代表的な症状としては、原因もなく繰り返されるじんましんや顔面紅潮、かゆみ、腹痛・下痢、吐き気、低血圧、めまい、呼吸困難などがある。重症の場合には、血圧が急激に低下するアナフィラキシーショックが発生することもある。また、特定の食品だけでなくにおい、ストレス、温度変化、運動など、さまざまな刺激が症状を誘発するのが特徴だ。
◇正確な患者数さえ不明
米ミシガン大学内科の研究チームが提案し、後続の国際合意を経て定立された診断基準によると、肥満細胞活性化症候群は▲二つ以上の臓器で典型的かつ間欠的な肥満細胞活性化症状が現れる▲症状発生時に肥満細胞媒介物質が増加する▲抗ヒスタミン薬や肥満細胞安定剤による治療に反応する、という三つの条件をすべて満たすことで診断される。
ただし、症状が非常に多様で、ほかのアレルギー疾患と似ているため、診断は容易ではない。現在まで韓国国内はもちろん、世界的に見ても正確な有病率は分かっておらず、疾患の特性上、原因不明のアレルギーや過敏性疾患と誤診されるケースが多いため、実際の患者数はもっと多いと推定される。
現在、完治する方法はない。治療は抗ヒスタミン薬や肥満細胞安定剤などをまず使用し、一部の患者は生物学的製剤を検討する。アナフィラキシーのリスクが高い患者は、エピネフリン自己注射器を常に携帯し、緊急事態に備えなければならない。また、症状を誘発する食品やにおい、温度変化など、個別の誘発要因を見つけて最大限避けることが、長期的な管理において最も重要となる。