「あんな無様なサッカーをするくらいなら」【萬物相】

 「あんな無様なサッカーをするくらいなら/あんな無様なサッカーをするくらいなら/出ていって××しろ/出ていって××しろ」  数百人のサポーターが、試合の終わったスタジアムで呪詛に近い歌を繰り返し歌う。整列した選手たちはうつむいたままだ。列の前に立つ監督は大声を上げて泣いている。「本当に申し訳ありません」 球団代表がマイクを握り謝罪を続けるが、サポーターの怒りは収まらない。罵声が止まない。警察に護衛されつつ選手たちがスタジアムを後にする。残されたサポーターたちはむせび泣いた。

 韓国プロサッカーの水原三星ブルーウィングスが2部リーグに降格した際、「ビッグバード」と呼ばれる水原ワールドカップスタジアムで見られた光景だ。メジャー大会で24回も優勝した名門クラブであり、名将・金皓(キム・ホ)や車範根(チャ・ボムグン)が築き上げた伝説の「レアル水原」。2023年に極度の不振で降格が決まった当時、サポーターの雰囲気は殺気立っていた。ピッチへの乱入や選手への暴力沙汰まで懸念された。それでもクラブ代表や監督をはじめとする全員がサポーターの前に立った。まさに罪人そのものだった。

 ドキュメンタリー『ロード・トゥ・ワン(Road to One)』は、転落した水原三星が1部リーグ復帰に向けてもがく過程を描いている。あの日の恥ずべき場面からドキュメンタリーは始まる。今なお進行形だ。ワールドカップ直前に配信されたシーズン2でも、昨年1部昇格を逃した監督が「××野郎」と罵られながらチームを去るところで幕を閉じる。監督は、そんなサポーターたちの前で「一日として本気でなかった日はなかったが、力不足だった」と涙ながらに謝罪した。罵声が収まっていく。「お疲れ様」という激励の声が聞こえる。スポーツの崇高さを感じさせる場面だ。

 サッカーは監督が主人公だといわれる。チームプレーが重要なサッカーにおいては、監督の戦術がスター選手の力量を圧倒するからだ。絶大な権限には、それだけの責任が伴う。「すべて私の責任だ」とあっさり言い残して去れば済むわけではない。選手たちの分まで恥辱を耐え忍ばねばならない。敗因を説明できるのも監督しかいない。それが、全力を尽くしたサポーターや、サポーターとの連帯を必要とするチームに対する礼儀だ。一国の代表チームの監督ともなれば、それは国民と国家に対する義務となる。このすべてのプロセスこそが「サッカー」なのだ。

 「敗将の品格」というものがある。プライドを捨て、非難の矢面に立つことを自ら引き受けて責任を果たしてこそ、かろうじて保たれるものだ。「北中米ワールドカップの敗将」洪明甫(ホン・ミョンボ)監督の不甲斐ない態度に失望する人は多い。試合内容以上に酷いと言われている。敗戦後、彼は自身のコメントを読み上げるだけで質問を受け付けなかった。選手のせいにしたりもした。ポケットに手を突っ込んだまま会見場を退場し、帰国の途でも説明なしに姿を消した。聴聞会の話が出ると、家族の元を訪ねて海外へ発ったという。草サッカーの監督でも「あんな無様な真似」はしないだろう。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)記者
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  • ▲イラスト=朴祥勛(パク・サンフン)

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