急性骨髄性白血病(AML)を患っているパク・ソンフさん(46)は5月、病院から「手術に必要な血小板を自分で確保してこなければならない」と言われた。止血機能を持つ血小板を適切なタイミングで輸血できないと、手術中に致命的な出血が発生する恐れがある。パク・ソンフさんの手術には血小板2パックが必要だったが、病院で供給できるのは1パックだけだったという。結局、パク・ソンフさんと家族は知人に連絡をして回った末に、かろうじて1パックを確保することができた。パク・ソンフさんの妻イ・スヨンさん(45)は「今回は運よく血を確保することができたが、今後も複数回の手術が予定されており、途方に暮れている」と語った。
最近、患者や保護者が直接、輸血用の血液を確保するケースが相次いでいる。献血者の数が減少したためだ。国家データ処(省庁の一つ)の統計を見ると、昨年の韓国国内での献血者数は125万1288人で、2005年の関連統計作成以来、最低値を記録した。ところが、献血者一人当たりの平均献血回数は2022年の2件から、2023年には2.13件、2024年には2.26件、昨年は2.27件と増加傾向にある。献血が、ますます少数の献血リピーターに依存する構造になっているというわけだ。
血液需給難の主な原因には、少子高齢化に伴う若年人口の減少が挙げられる。大韓赤十字社による調査の結果、昨年の献血者全体のうち、20代(33.7%)と16-19歳(18.6%)が占める割合は半分ほどだった。2024年度大学入試から、献血がボランティア活動の実績として反映されなくなり、10代の献血離れが起きていることも影響を及ぼしたと分析される。
血液が足りなくなると、病院から患者に「指定献血」のための献血者を直接探してくるよう要請するケースも増えている。指定献血とは、献血者が特定の患者を指定して、自分の血液を提供する方式だ。もともとは珍しい血液型や緊急手術など、例外的な状況で主に活用されていた。しかし最近は、輸血用の血液が不足していることから、一般の患者も指定献血者を直接探さなければならないような状況がしばしば起きている。指定献血は、一般の献血資格条件を満たす成人であれば誰でも参加できる。患者と献血者をつなぐ指定献血専用のスマートフォン・アプリも登場した。
指定献血の件数は増加している。大韓赤十字社によると、指定献血は2024年の1万5790件から、昨年には1万7454件へと10.5%増加したという。今年に入ってから5月までに2万4034件を記録した。大韓赤十字社の関係者は「献血者が減少し、血液需給の安定性を確保するのが容易ではない状況だ」とした上で「献血リピーターへの依存度が過度に高まっていることも、懸念される部分だ」と話している。