米陸軍の推奨図書は国際政治・作戦に関するもの…韓国は「論語」「孟子」

安圭佰長官、必読書として「古典」 を提示

 国防部(省に相当)の安圭佰(アン・ギュベク)長官が最近、軍の指揮官の「必読書」として「論語」「孟子」「牧民心書」をはじめとする東洋・西洋の古典中心の本12冊を提示した。軍内部からは「21世紀の急変する安全保障環境の変化をまったく反映していない本ばかりで、現実とかけ離れている」との声が上がっている。

【図】韓国軍の将校・下士官不足は深刻

 13日、本紙の取材を総合すると、安圭佰長官は先月、国防日報を通じて「指揮官の推奨図書」として「孫子の兵法」「論語」「孟子」「韓非子」「乱中日記」「牧民心書」「懲毖録」「白凡逸志」などを提示したという。プロイセンの軍人で軍人学者カール・フォン・クラウゼヴィッツの「戦争論」や、ドイツの哲学者カール・ヤスパースの「偉大な哲学者たち」、中国の小説家・林語堂の「生活の発見」、韓国の文芸評論家・李御寧(イ・オリョン)の「一枚の葉が揺れるとき」も含まれている。

 安圭佰長官が就任して以降、国防部は将兵の読書量を増やすべきだとして「片手に銃、片手に本」プロジェクトを展開して いる。今回の指揮官の必読書選定もやはり、指揮官から本を読むべきだという趣旨で行われたという。しかし、軍内部では「古典と教養書が中心で、現代の国防戦略や戦術に直結した米軍幹部の推薦図書リストとはかけ離れている」と指摘する声が上がっている。

 米陸軍が2017年に提示した「米陸軍参謀総長の読書リスト」には、国際政治学、地政学、米軍作戦史など、さまざまな分野を網羅するおよそ110冊の本が含まれた。国際政治学の大家であるヘンリー・キッシンジャーの「国際秩序」、現実主義の国際政治学者ジョン・ミアシャイマーの「大国政治の悲劇」、ソフト・パワーを初めて提唱したジョセフ・ナイの著書「権力の未来」、地政学ストラテジストであるピーター・ゼイハンの「21世紀アメリカの覇権と地政学」などだ。専門性を備えた軍の自律性を保障してこそ、軍の政治的中立性が確保されるというサミュエル・ハンチントンの「軍人と国家」、2003年に始まったイラク戦争当時の米軍の総体的な失敗を辛辣(しんらつ)に 批判した「フィアスコ」といった本もあった。

 文学評論家のピョ・ジョンフンは「米軍の推薦図書が世界情勢や安全保障環境、巨視的な戦略などに主眼を置いているのに比べ、韓国の推奨図書は古典に偏っている印象があり、『軍の指揮官』という対象読者への配慮が見られない」とした上で「急変する安全保障環境や世界情勢を具体的に知ることができる本に対する考慮が足りず、残念だ」と話している。

ヤン・ジホ記者

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