来年のバイト月給223万ウォン、店主は208万ウォン…最低賃金引き上げに自営業者からため息

 7月15日午前7時。ソウル市麻浦区のあるフランチャイズカフェで店主のイ・ジンヒョクさん(54)夫妻が、出勤する会社員らの注文したコーヒーを淹れるため忙しく手を動かしていた。イさんは「来年最低賃金が上がったら、昼以降に働くアルバイトを半分に減らしてその空きを妻と私で埋めるべきか、真剣に悩んでいる」とし、「コーヒー豆や牛乳の価格はすべて上がったが、コーヒーの価格を上げることもできず、目の前が真っ暗だ」と語った。

【表】年度別最低賃金

 前日の夜に最低賃金委員会は、時給1万320ウォン(現在のレートで約1123円。以下同じ)だった今年の最低賃金を、来年から1万700ウォン(約1165円)に引き上げると決定した。これは4年ぶりに最も高い引き上げ率(3.7%)だ。韓国政府が今年予想している消費者物価上昇率(2.7%)を上回った。来年からはアルバイト1人当たり月間7万9420ウォン(約8645円)、年間95万3040ウォン(約10万3740円)余計に支払わなければならない。

 来年度の最低賃金が決定された翌日、ソウル都心一帯の「路地裏商圏」は重苦しい沈黙と複雑な思いに包まれた。冷え込む景気の中で限界の状況に追い込まれていた自営業者たちは「これ以上耐えるすべがない」と、一様にため息をついた。この日の午前7時30分、ソウル市西大門区のあるコンビニの店主キムさん(51)は、物流トラックから降ろされた三角おにぎりを陳列棚に並べていた。顔はやつれ、疲労の色が歴然としていた。キムさんは「夏の電気料金も心配だが、最低賃金引き上げの知らせが重荷だ」と話した。彼は「来年からはアルバイトを雇わずに1人で店舗を運営する『1人店舗』に切り替えるべきか悩んでいる」「夜間はコンビニ自体を閉めることも考えている」と語った。

 来年度の最低賃金を月給に換算すると223万6300ウォン(約24万3400円)=週40時間勤務基準=だ。これは小商工人連合会が昨年調査した小規模事業者1000人の月平均営業利益208万8000ウォン(約22万7300円)よりも15万ウォン(約1万6300円)ほど多い。事業者らは「実際の負担は最低賃金よりもさらに高い」と主張する。月給のほかに健康保険や国民年金などの4大保険料も負担するからだ。

 こうした事情から、アルバイトの代わりに無人キオスク(セルフレジ)を選択する店主も増え続けている。ソウル市鍾路区で飲食店を経営するチェさん(46)は、2人いる従業員を来年から1人に減らす代わりに、注文用キオスクを導入する考えだ。チェさんは「4大保険料まで含めると従業員1人当たり250万ウォン(約27万円)近く負担しなければならないが、キオスクはレンタル料と手数料で月数十万ウォン(10万ウォン=約1万900円)しかかからない」とし、「これまで客が不便に思うかもしれないと躊躇していたが、もう背に腹は代えられない」と話した。

 4週平均で週15時間働いて定められた勤務日を満たした労働者に支払うべき「週休手当」も、小規模事業者にとっては負担だ。働かなくても1日分の手当を支給しなければならないが、これを含めると来年度の最低賃金の時給換算額は約1万2840ウォン(約1398円)水準になるという。ソウル市麻浦区で24時間営業の軽食店を営むチャンさん(64)は「週休手当の負担を減らすため、アルバイトの勤務時間を細切れにしてきたが、もうこれ以上は耐えられそうにない」とし、「メニューの価格を上げることもできず、店をいつまで続けられるか分からない」と打ち明けた。

 最低賃金が上がり続けることで、最低賃金未満しか受け取れていない労働者の割合も全体的に上昇傾向にある。昨年、労働者のうち最低賃金未満額しか受け取れなかった人の割合(経済活動人口調査付加調査基準)は12.4%で、2001年(4.3%)に比べて3倍近くに増えた。特に零細業者の多い宿泊・飲食店業では31.6%(昨年基準)に達する。最低賃金を支払わなければ事業主が現行法上処罰されるにもかかわらず、現実にはこの法的基準すら守ることのできない自営業者が少なくないのだ。

 中小企業・小規模商工業者の業界は、最低賃金決定の直後、一斉に遺憾の意を表明した。中小企業中央会は「限界の状況に置かれた零細企業や小規模商工業者が過度な人件費負担ゆえに雇用を減らしたり廃業したりすることになり、その苦痛は結局、脆弱(ぜいじゃく)層の労働者たちが負うことになるだろう」とした。小商工人連合会は「かろうじて息をしていた小規模商工業者に、最低賃金のさらなる引き上げが重い負担を突きつけた」とコメントした。

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  • ▲7月14日、ソウルのある飲食店の入り口に従業員募集の広告チラシが貼られている。/写真=聯合ニュース
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