共に民主党が7月31日、国会本会議で検察の直接捜査権を全面的に廃止する刑事訴訟法改正案を強行採決した。これにより、1954年の刑事訴訟法制定以降、72年間にわたり維持されてきた検察の捜査権が歴史の中に消えることとなった。国民の力は「憲政史に恥として残る稀代の悪法だ」として、大統領に拒否権(再議要求権)の行使を求めた。具滋賢(ク・ジャヒョン)検察総長(検事総長に相当)職務代行は、法案可決直後に「責任を痛感している」として辞意を表明した。
共に民主党は同日の本会議で、国民の力のフィリバスター(無制限討論)を強制終了させた後、在席した178人のうち賛成175人、反対2人、棄権1人で刑事訴訟法改正案を可決した。共に民主党内でも補完捜査権の一部存続を主張してきた郭相彦(クァク・サンオン)議員が反対票を、李素永(イ・ソヨン)議員が棄権票を投じた。国民の力の議員たちは法案に反対し、採決に参加しなかった。
改正案は、10月2日の検察庁廃止と公訴庁・重大犯罪捜査庁の発足に合わせて、捜査と起訴を分離することを骨子としている。検事の直接捜査権を全面的に廃止し、司法警察官を捜査の主体として一元化する。検事の直接捜査に伴う令状請求権も姿を消す。ただし、検事は直接捜査の代わりに警察へ補完捜査・再捜査・是正措置の「要求権」を付与され、刑事手続きに間接的に関与することになった。共に民主党は「国民が命じた検察改革をついに完成させた」とした上で「刑事訴訟法改正は検察改革の終わりではなく、新たな刑事司法体系の始まりだ」と主張した。青瓦台(大統領府)は「国会の立法過程と最終判断を尊重する」とコメントした。鄭成湖(チョン・ソンホ)法務部(省に相当)長官は同日、「初めて歩む道であり、善意や期待とは異なり副作用が生じるのであれば、迅速に補完・修正することにもちゅうちょしないよう望む」と述べた。
これに先立ち、各界各層はもちろん与党内部からも、検事の捜査権の全面廃止について「被害者の権益保護に深刻な穴が生じる」と懸念する声が上がっていた。しかし、共に民主党は「公訴棄却事由の拡大」条項まで盛り込み、法案処理を強行した。「重大な違法捜査」や「著しい公訴権の乱用」が認められれば、裁判所が公訴を棄却できるようにしたというわけだ。
この条項をめぐり、野党は「李在明(イ・ジェミョン)大統領の裁判帳消しのための法だ」と批判してきた。国民の力の鄭点植(チョン・ジョムシク)院内代表は「刑事訴訟法は一言で言えば、社会的弱者の防御壁を奪い、権力者の防弾幕を掲げたものだ」と述べた。