「きれいな人が社長の隣に座りなさい」…裁判所「こうした女性上司の発言もセクハラ」

「容姿の評価は性的屈辱感・嫌悪感を誘発」
「性的な動機がある場合だけがセクハラになるわけではない」
不当な懲戒処分だとして起こした行政訴訟も請求棄却

 職場の女性上司が女性の部下に「きれいな人が社長の隣に座りなさい」と言った言葉はセクハラ(セクシュアル・ハラスメント)なのだろうか。裁判所は「容姿を評価したり対象化したりするのは、相手に性的屈辱感を覚えさせる行為」だとして、セクハラに該当するという判決を下した。

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 ソウル行政裁判所行政第12部(カン・ジェウォン裁判長)は7月16日、原告A氏が中央労働委員長を相手取って起こした不当懲戒救済再審判定の取り消し訴訟において、原告敗訴の判決を下したと7月29日に明らかにした。

 ある財団法人芸術団内の舞踊団で企画室長を務めるA氏は、男性である社長や職員らが集まった昼食の場で、女性の部下であるB氏に対し、「きれいな人が社長の隣に座りなさい」と言った。B氏はこの発言がセクハラだとして、A氏を芸術団に申告した。B氏らに対して過度な業務指示を出したり、大声を上げたりしたという内容も申告に含まれていた。

 芸術団の人事委員会は、セクハラも職場内のハラスメント(パワハラ)も事実であるとみて、減給1カ月の懲戒処分を下した。人事委員会は「業務に関連して大声を上げた行為などと、B氏の容姿に関連して不必要な発言をした行為は、職場内のパワハラおよびセクハラとして認められる」とした。

 このような判断に対し、A氏は地方労働委員会に救済を申し立てた。地方労働委員会は、A氏が受けた処分について「セクハラのみ認められ、他の事由は懲戒事由として認め難い」としつつも、「認められる懲戒事由だけでも減給1カ月の懲戒処分は妥当である」とした。その後、A氏は中央労働委員会でも追加で提出した再審申し立てが棄却されたため、昨年9月に中央労働委員会を相手取って行政訴訟を起こした。

 A氏は「きれいだ」という表現はセクハラに該当しないと主張した。A氏は「性的な意図や容姿の評価をするためにB氏にきれいだと言ったのではない」「食事の場をB氏が手配したのだから、B氏が社長の隣に座るのが正しいと判断して言ったことだ」と釈明した。また、「当時、食事の場でこうした言葉に不快感を表現した人はいない。一過性の発言に過ぎず、セクハラとは見なせない」と説明した。

 しかし、裁判所はA氏の主張を受け入れなかった。裁判所は「A氏が部下の容姿に言及して行った発言は、単に特定の席に座れというものではなく、『社長の隣にきれいな人が座りなさい』という一種の接待要素を含んだ内容として十分に解釈され得る」として、セクハラに該当すると判断した。さらに、「このような発言は、被害者の容姿を評価したり対象化したりするものであり、性的屈辱感や嫌悪感を覚えさせる行為に該当する」と述べた。

 悪意はなかったというA氏の主張に対しても、性的な動機や意図がある場合だけにセクハラが成立するわけではない、と指摘した。裁判所は「B氏が食事の場でA氏の発言を聞いて不快感や嫌悪感を示さなかったが、これはA氏が直属の上司であり、食事の場の雰囲気を壊さないようにするためだった可能性を排除できない」「B氏は食事の数日後、A氏から職場内のセクハラを受けたと申告しており、調査の過程でも非常に不快に感じたと述べている」とした。

 A氏が起こした行政訴訟については、「職場内のセクハラにより品位維持義務に違反したA氏に対する懲戒処分は妥当である」として請求を棄却した。

イ・ミンギョン記者

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