「釜山回し蹴り事件」の被害者であるキム・ジンジュさん(仮名)が、無所属の韓東勲(ハン・ドンフン)議員室が主催する懇談会に出席する。懇談会を翌日に控えた3日、キム・ジンジュさんは、検察による直接捜査権を廃止する刑事訴訟法改正案を発議した与党・共に民主党の金容民(キム・ヨンミン)議員のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に「地獄にでも行ってください」というコメントを書き込んだ。
【Photo】韓国社会に衝撃 面識もない20代女性に背後から左回し蹴りする男(2022年5月22日)
韓東勲議員は4日午後、議員会館で「補完捜査禁止、地獄の門が開かれた」と題する懇談会を開く予定だ。この場では、警察が無視した性犯罪の証拠を検察が補完捜査によって見つけ出した「釜山回し蹴り事件」の被害者キム・ジンジュさんが、韓東勲議員と対談する。それとともに、釜山回し蹴り事件当時、キム・ジンジュさんが警察で調べを受けている映像も公開する予定だ。キム・ジンジュさんは懇談会の後、韓東勲議員とともに、報道陣からの質問にも応じるという。
それとは別に、韓東勲議員側は与野党の国会議員299人全員に「懇談会に出席される議員はどなたでも自由に発言できる」とした上で「議員の出席の有無をあらかじめご返信いただければ、十分な発言の機会も保障する」という内容の通知も発送した。韓東勲議員はこれに先立ち、先月29日にも共に民主党所属の議員161人全員に「きちんとした公論の場で討論しよう」と要請したが、補完捜査権の廃止に賛成した共に民主党議員は誰も出席しなかった。
釜山回し蹴り事件の被害者キム・ジンジュさんは先月31日、共に民主党の金容民議員が発議した補完捜査権廃止法(刑訴法改正案)が国会本会議を通過すると、メディアのインタビューで「(わたしの事件において)補完捜査権は真実に近づくための『最後の砦』だった」とした上で「補完捜査権は、ここ(警察の捜査段階)で見抜けなかったとしても、ここ(検察)では正すことができるという機会を与えるものなのに、廃止はその機会をなくしてしまうということだ」と述べた。
法案が通過した後、金容民議員は盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の墓を訪れ撮影した写真をSNSに投稿し、「(盧武鉉元大統領が)無所不為(できないことはないという意味)の権力、特に政治検察の刃の前で、一人で耐え忍ばなければならなかったその痛ましい犠牲を思うと、いつも胸が詰まる」とつづった。それとともに、金容民議員は自分が盧武鉉元大統領の墓に刑訴法改正案が入った封筒をささげる場面をSNSにアップした。するとキム・ジンジュさんは、金容民議員の投稿に「地獄にでも行ってください-釜山回し蹴り被害者キム・ジンジュ-」とコメントを書き込んだ。その後、キム・ジンジュさんのコメントはインスタグラム側によって非表示処理された。
2022年、キム・ジンジュさんは面識のない男に後頭部を回し蹴りされ、命を落としかけた。被疑者は倒れたキム・ジンジュさんを足で踏みつけるなどして意識を失わせ、監視カメラの死角に引きずり込んで性的暴行を加えようとした。当時、警察の捜査段階では殺人未遂の疑いのみで送致されたが、控訴審の段階で、検察による補完捜査を通じて性的暴行を加えようとしていたことが明らかになった。