西部戦線を守る韓国陸軍第1軍団が、一般前哨(GOP)と前方監視哨所(GP)において、K6重機関銃から実弾を抜いたまま警戒作戦を行わせていたことが明らかになった。今年上半期から、実弾の入った弾薬筒を横に置き、空の銃で警戒勤務に就かせていたという。北朝鮮軍の高射銃(重機関銃)がいつ飛んでくるか分からない場所で、即時対応を困難にさせたのだ。夜間には懐中電灯をつけ、実弾を手探りで探さなければならない状況だった。
「実弾を抜いた機関銃」は、北に向けた誤射事故を懸念したからだとみられる。李在明(イ・ジェミョン)政権が北朝鮮の顔色をうかがう中で、ひたすら防衛任務だけを考えるべき最前線司令部までが「政務的に」迎合したと見るほかない。消防車が水漏れを恐れて、空の車で火災に備えたようなものだ。合同参謀本部(合参)は「第1軍団から(警戒)指針変更の報告を受けたり、承認したりした事実はない」とした。合参はメディアの報道が出てからようやく実態調査に乗り出した。国軍の頭と手足が別々に動いているとすれば、なおさら深刻だ。
現政権に入ってから、韓国軍で奇妙なことが続いている。合参は、軍事境界線(MDL)の基準を北朝鮮側に有利に変更した指針を前方部隊に指示した。このため、MDLが数十メートル後退した場所も生じた。国防部(省に相当)は北朝鮮が6月25日(朝鮮戦争開戦日)に合わせて弾道ミサイルを発射した事実も遅れて公開し、陸・海・空軍士官学校の統合まで拙速に推し進めている。国防部の長官は、自身の過去の脱走疑惑すらまともに釈明できずにいる。
韓米合同演習は、あらゆる理由を付けて縮小または延期されている。韓国政府の目標の通りに戦時作戦統制権の移管を受けるには、韓国軍の能力を検証されることが核心だが、肝心のそのための合同演習には消極的だ。国防部は、非常戒厳に関与した疑いで実に50人もの軍人を懲戒処分にした。積極的な加担者は処罰されるべきだが、無念にも軍服を脱がされたケースも少なくない。有能な軍人が政治的な理由で犠牲になったことによる空白は、すぐには埋め難い。
今の韓国軍の姿は尋常ではない。国防の核心である警戒・指揮・将校養成システムがいずれも不安定だ。韓国軍は韓国国民の心強い砦ではなく、今や国民が軍の心配をしなければならない有様だ。